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危険ドラッグ

脱法ドラッグ(だっぽうドラッグ)とは、法律によって一部の薬物が規制されていることから、法律による規制がないであろう代替の薬物を表すために用いられている用語である。2000年半ばまで、合法ドラッグとだけ呼ばれた[1][2]。行政側の用語が用意され脱法ドラッグが2000年半ばから[1][3]、違法ドラッグが2005年から[4]、危険ドラッグが2014年7月からである[5][6]。英語では、一般にリーガル・ハイ (legal high) と呼ばれ[7][8]、合法を意味するlegalを冠している。専門家の間では、新規向精神薬(novel[8]/new psychoactive substance[9][10])と呼ばれる[8][11]。

日本では「いたちごっこ」[12][13]、海外ではモグラ叩き[14]と称されるように、薬物の規制によって、規制した薬物とは異なるが類似した構造や作用を持つ、新たな薬物が登場することが繰り返されている。流通する新規向精神薬は、2013年までを合計して348種類が同定されており、特に2013年には約100種類増加しており、麻薬に関する単一条約と向精神薬に関する条約によって現行で規制されている薬物合計234種類を上回っている[15]。

自由主義的な薬物政策を持つ国々以外での、脱法ドラッグに対する強い需要は、薬物が厳しく禁止されていることによってもたらされていると考えられる[16][17]。アメリカには、連邦類似法があるが類似しているかどうかの議論により運用は困難に直面している[18]。イギリスでは、共通した構造を持つ物質を包括的に規制することで対処しているが、網羅は不可能で、危険性の堅牢な証拠も欠き、医薬品を例外化する必要が出るなどの弊害も生まれる[16]。日本は[19]、薬物による問題を助長していると指摘されるような[20]アメリカ型の厳罰主義の薬物政策をとり[19]、脱法ドラッグの規制にはイギリスと似た包括指定を採用している。日本は再び乱用しないよう回復させる体制が遅れている[21]。

日本では規制によって新たに登場する薬物が毒性を増しているとも指摘されており[22]、年間10人以下であった薬物によって死亡した疑いのあるものは2014年には6月までに20人を超えている[23]。イギリスでは年間20人台であったものが2012年には2倍以上となっているが[24]、アルコールなど他の薬物との併用で危険性を増すという指摘や[25]、すでに規制された薬物による死亡も数えてしまっているなど指摘されている[26]。

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