青松輝コンプレックス後記

「青松輝コンプレックス」を書いてはや四ヶ月が経とうとしている。今になって読み返すと、やや浅薄だったなと反省する。でもこうやって過去を振り返って、過去の自分に優越できているとき、その差分が生じていることにすこし安堵してしまう。こういうことは往々にしてあって、これを積み重ねて成長していくんだと思う。思いたい。

今の僕にとって、「◯◯コンプレックス」の◯◯の中に入りうるのは今や青松輝だけではない。
穂村弘、宇都宮敦、笹井宏之、佐クマサトシ、瀬口真司、橋爪志保、山口一郎、後藤正文…

もはや、「全員」のコンプレックスであるような気もしている。

僕に今足りないものはなにか、なんてことを考えるようになり出したのは、大学受験の時期からだと思う。母校で初めて京大に進学した僕が、大学受験が僕の全てではない、という主張を持っているのは容易に想像できることかもしれないが、今の僕が成長する方法論はほとんど、大学受験で身につけたものだ。

僕に今圧倒的に足りないものは、インプットの量だ。
中澤系、堂園昌彦、斉藤斎藤、飯田有子、鈴木ちはね、我妻俊樹、永井亘、千種創一、初谷むい、瀬戸夏子…
読みたいと思いながらまだ読めていない歌人(歌集)はここに挙げた歌人の他にもたくさんいる。

僕なりに20冊くらいの歌集を読んで、この歌人の歌が好きだとか、こういう短歌が作りたいだとか、なんとなくイメージは掴もうとしているところだった。

それでも僕の作る短歌は、まだ未熟だ。

短歌会の先輩とふたりでお話する機会があった。
歌集ばかり読んでればいいわけじゃないことを教えてもらった。
歌集を読むようになってから、散文を読む胆力(胆力?)が衰退しているような実感があった。
だからって散文から逃げちゃダメだ。

老成を拒むその運動性こそが、あなたの唯一の武器ではなかったか?

速く、そしてあくまでも、スマートであること!

浅田彰『構造と力』

本人にdmで記事を送ったとき、「速くなればいいだけや」と、返信をもらった。


やることはもうわかっている。


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