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完成しそうなサグラダファミリア、ローマで知るoasisの再結成、住むならギリシャ

前編

後編

バルセロナへ移動。夜に着いた。空港から市街地エリアまではエアロバスというシャトルバスがアホみたいに走っている。

空港に到着してからオンラインで予約したが、バス乗り場でも買えたと思う。これに乗れば中心地の目印「カタルーニャ広場」まで直行だ。

ホテルはエアビー風で、部屋にはベットのみ。だが、隣に専用利用できるバス・トイレがあり精神的には良い。

共有部にはコーヒーやパンがあり食べ放題。あとプランにインクルードされた朝食に相当するハム、チーズ、トマト、フルーツ、ドリンクなんかは自分たちのために区切られた冷蔵庫のスペースに入れられ、毎日補充してくれた。

とりあえず乗せた

ガウディ建築を中心としたバルセロナ散策も基本的には徒歩でいける(とはいえ、この旅で累計160kmくらい歩いてた)。グエル公園だけ少々遠いので、そこは発達したバルセロナの地下鉄を使った。地下鉄はゾーンという概念で同心円状に区分けされていて、ゾーン1を買えば主要所はカバーできる。

チケットは紙みたいな質感だがチップが埋め込まれていて、入るときはタッチ。そして日本人的には抵抗があるんだけど、出るときは何もしない。ゲートが自動で開いたり、門みたいなのを自分で開いたり。

僕は、国内でやってるガウディ展に行くくらいにはガウディが好きだ。派手でSFチックな外見に注目が集まるが、その根拠にあるのは、強度を担保する上での画期的な建築様式、聖書の物語と教会としてのファンクションである。

美形だけど渋い演技する俳優、あるいはアイドルグループっぽいけど最新な複雑な音楽やってるバンドみたいな魅力がある(知らんけど)。

初めて海外に出たのは、大卒1年目だった。とにかくこのサグラダファミリアが見たかった。

2016年12月

そのときと比べて随分と進捗があったように思えた。なんかピカピカになってた、ニョキニョキの本数も増えてた。

2024年8月

日光東照宮の陽明門の柱が逆さまで未完成扱いになっているのは、完成したものはそこから崩壊が始まるからという逸話は有名である。似たようなことかもしれないけど、この教会から感じられる圧のようなものは、過去の遺物としてではなく、これから組み上がっていくエネルギーである。

バルセロナからローマのフィウミチーノ空港へ飛ぶ。空港からはやはりバスだったが、降りるポイントを逃して目当てのバチカン美術館を通り過ぎる。やむなく課金してタクシーで戻るが、予約から1時間近くオーバー。システム上では明らかに弾かれているぽい音(万国共通で「ビッー」)がしたけど「いいよ、行け」って感じで入れてもらえた。

その夜は、サハラ砂漠ツアーを共にしたイタリア人グループの実質的リーダーであるおばちゃんにオススメしてもらった店へ。地元民が多そうな店内。めちゃくちゃ美味かった。ユーロになってからは昼食でも油断すると2人で1万円オーバーだったけど、ここはコスパよかった。

カチョエペペなるパスタ、クソ美味い

翌朝(だったと思う)、oasisの再結成が発表されていた。初めての海外旅行のとき、もう一つの目的地がロンドンで、"(What's the story) Mornig Grory"のジャケットの聖地巡礼に行ったのだ。

まああんまり長続きは期待してないわけだが、世界一の兄弟喧嘩が雪解けに至り、サグラダファミリアもメキメキ完成に向かっている。遠い地中海で、8年の時の流れを感じた。

この日はローマの主要な観光地をめぐり、再びツアーのイタリア人グループに教えてもらった店で夕食を済ませた。


最後の国ギリシャへ。そう言えば、ユーロ圏は国際線でも税関はガバガバ、一度も審査を受けていなかった。

まずはギリシャの離島・サントリーニ島へ。本旅唯一のいわゆるリゾート。ローマ2日目は疲れ果て、昼間に路上で寝てしまうくらいだったので、疲労回復ナイスタイミング。旅はメリハリが大事。

僕は泳げないせいでプールが嫌いだったけど、焦ってもパフォーマンスは上がらないので、冷静に正しく手足を動かすと浮く感覚を掴み、それ以来は結構楽しめる。これはサッカーと同じ感覚で、ずっとスポーツをしてきたせいで身体動作が上手くなった恩恵だと思っている(そんな大袈裟なことか?)。

ギリシャの飯は基本的に、魚介、ビネガー、あっさり味付けという感じで極めて親しみやすい。

ビールも銘柄を覚えるくらいには飲んだ。キリン、アサヒ、サントリー(あるいはサッポロ)よろしく、向こうにもFIX(フィックス)、Alfa(アルファ)、Mythos(ミソス)という銘柄がある。これはまあ好きなのを選べば良い。サントリーニで2泊した後、最後の地、アテネへ。

ギリシャと言えば経済破綻したことが記憶に新しいが、どうやら最近は調子いいらしい。

でも依然荒廃した感じがするのは、グラフィティーが多すぎるからだろう。公共鉄道とかもガッツリやられていて、それでも気にせず使っていて「いや、いいのか?それで?」とツッコミを入れたくはなる。

IMMIGRANTS ARE NOT A PROBLEM

あと街に溢れるデザインがcool。往々にして彩度が高い原色、併記されるギリシャ文字が織りなす現代文明と古代文明の融合感、溢れる緑とテラス席。

パルテノンに行ったり、朝イチでアテネ市街地で最も標高が高い丘・リカヴィトスの丘に行ったりしたけど、どこも肩肘張らない感じで、住むならギリシャ、アテネ。

帰りのトランジットはドーハ経由だった。台風10号が心配されたが関東圏は逸れたので、多少航路を変更したっぽいがほぼオンタイムで帰国。羽田から新宿までタクシーで最後の贅沢をして、この度は無事に終わった。

それにしても紀行文を書くのは楽しい。一つに、構成をちゃんと考える必要がないからだろう。とりあえず時系列に並べておけばいい。また、素敵な写真が撮れていれば、それは文章を書くことをアフォーダンスしてくれる。

きゃわ

これを書いている時間も、僕は旅をしている。計画を立てる、準備して、移動して、目的地へ。そして戻ってきてからも、まだ旅をしている。

旅というものは、総合的で多面的な体験だ。けれど僕たちは総合的理由で旅に行くとは言えないので、ど真ん中に観光名所を据える。

コロッセオも、パルテノンも、僕たち人類が旅に出る口実のために、千年とか2千年とかあそこにいてくれていると思うと、突然に愛おしくなる。

一人旅みたいな筆致だけど、僕はひょこひょこ着いていっただけで、とにかく連れ出してくれた旅のパートナーへの感謝とともに、有給休暇篇を締めくくりたいと思います。

著者近影

最後まで読んで頂き、ありがとうございました。