たとえ最後の宍道湖一珍になったとしても生き抜く所存です
こんばんは、出 雲太(いず うんた)です。
最近、目に留まった記事。
「ワカサギとウナギが農薬のせいで激減!?」
東京大学教授の山室真澄さんの研究で、宍道湖のワカサギとウナギが激減したのは、農薬に使われるネオニコチノイドが関係しているとのこと。
子供の頃、あまりにもワカサギは捕れすぎたので、近所の漁師さんがおすそ分けでワカサギを持ってくることがしょっちゅうありました。だから、ワカサギがくると、甘辛しょゆでつけたワカサギを七輪で炙って、晩の食卓に並べるのが出雲の原風景のようなものでした。
僕もワカサギが大好きで、最後は熱いご飯にワカサギを何匹かのっけて、お茶をかけて食べるワカサギ茶漬けが大好物でした。
そういえば、最近、全く見なくなったなぁと思っていたけれど、そんな理由があったのか。
みなさんは宍道湖七珍(しんじこしっちん)をご存知でしょうか。
宍道湖でとれる代表的な魚介類の7つを称して宍道湖七珍といいます。その7つとはスズキ 、モロゲエビ 、ウナギ 、アマサギ(ワカサギ) 、シラウオ 、コイ、シジミのことです。それぞれの頭文字をとり「スモウアシコシ」と覚えます。
これではウナギとワカサギが抜けて、宍道湖五珍になってしまうじゃないですか。これは、由々しき問題です。
他の魚介類は大丈夫なのでしょうか。
僕はその中でも特にスズキが心配です。
というのも、出雲神話には宍道湖七珍の魚介類が登場します。それがスズキです。
神話の舞台「国譲り」での出来事。
大国主命は自分が造ったこの国を高天原にお譲りします。そのかわりに高天原にも届くような宮殿を建てていただければ、反抗する者はいないでしょう、と不思議な条件を出します。
すると、その要件は受け入れられ、大きな神殿が建てられました。それが「出雲大社」です。
そこでクナト神の孫・クシヤタマを調理人として神殿にごちそうを差し上げることにしました。クシヤタマは鵜(う)になって海の底の赤土を加えてきて土器を作り、海藻の茎で臼と杵を作って火をおこし、スズキを釣ってきて、大国主命に料理して差し上げたのでした。
出雲大社建造の由来にスズキの料理が関係していたとは驚きです。でも出雲大社に詣でたときにスズキが献上されているのを見たことないけれど、ちゃんと秘密裡に納められているのだろうか。
なぜ、タイやヒラメが献上されなかったのか(もう少し高級魚でもよかったような・・・今だったらノドグロでもよかろうに)。ひょっとすると大国主命の好物がスズキだったのかもしれませんね。
だとしたら、尚更、スズキさんには頑張ってもらって、宍道湖一珍になったとしても生き残ってもらいたいものです。まぁ、スズキさんも大国主さんのために生存しているわけではないと怒るかもしれませんが(スズキさんにはスズキさんの生き方というものがあるのですから)。
今回も最後まで読んでくださり、ありがとうございました。
よかったら、出雲大社にもいらしてください。
その際は、スズキの焼き魚を持ってきていただくと、大国主命様はお喜びになるかもしれませんよ(警備員にとめられるかもしれませんけれど)。
お待ちしています。
こちらでは出雲神話から青銅器の使い方を考えています。
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