知らないと怖い「脳の休息」とマルチタスクについて【自信マガジン】
デジタルデバイスに囲まれた世界に人類史上初めて到達した現代人に思いも寄らない障害が待ち受けていた、その正体とは――。
前回の記事では、心の緊張のリリースを目的に、いくつかの画像を見ていただきました。今回は、心ではなく意識、つまり、考えることで疲れてしまった脳を休ませてあげるには、というお話をします。
脳の疲れの原因は
起きている状態の人間の脳は、様々な情報を処理しています。
物を見ること、聞くこと、読むことなどで、脳の疲れが増えたり減ったりします。
普段の私たちの行動では、主に疲れが増える傾向にあります。
その原因上位にあるのが、SNSなどのデジタル的なストレスと人間関係のストレスです。
人間関係のストレスが人に与える疲労は大きいですね。
この疲れを癒やす方法は数多くの方が具体的な方法を指導、提供しているので、ここではデジタル的なストレス、デジタル疲れの方を説明します。
デジタル疲れのうち、SNSのストレスというと、ネガティブな情報や、誹謗中傷、ネットいじめなどが思い浮かびますが、本稿では扱いません。
ここでは自発的に回避出来る疲労と、その回避方法についてお話しします。
デジタル疲れの原因は意外なものだった
日頃私たちが学校や職場やプライベートで触れるデジタル機器、お仕事中はパソコン、プライベートではスマホをお使いの方が多いと思います。
一体、デジタルの何が疲れを生み、何がやる気や効率を奪い、そして何をすれば回復するのか、私の体験談を交えて、お話ししていきます。
デジタル機器やSNS、アプリ、ゲームなどを使っただけではストレスは発生しません。
これは、スマホで動画を見たり、ゲームをした時に夢中になったり、音楽を聴いてリラックスしたりする現象と相反します。
では、何が私たちを苦しめているのか。
それは、SNS、アプリの利用、ゲーム、メールなどで発生するマルチタスクです。
私たちの思考は、集中している時に最大の能力を発揮します。
仕事や勉強がすいすい進むとき、他のことを一切気にせずに黙々と作業をするとき、気付いたら終わっていたとか、思ったより時間が進んでいなかった、という経験はありませんか?
逆に、いちいち上司からのメールや外部からの電話、SNSの通知、アプリの同時使用、ポップアップ通知などで集中力を途切れさせてしまった経験はありませんか?
そう、集中力をジャマすること、マルチタスクで集中出来ない状態、それがデジタル疲れの正体です。
集中力がない時、作業や勉強の効率はとても下がりますよね。おまけに、しょっちゅうジャマが入れば、いちから集中しなおさないといけない……。
脳にとって、ゼロからまたエンジンをかけなければいけないのは、とっても非効率だし、何倍も疲れてしまうのです。
これでは、やるべき事が終わらず、イライラしたり、疲れたり。疲れが疲れを生み、どんどんやる気も失せていく。結果が出せず、メンタルにダメージが発生してしまい、負の連鎖が続いていきます。
たとえ自発的にマルチタスクを選び、
複数のアプリを使い、
合間合間にゲームをはさみ、
通知をバンバン出しながら、
SNSも見ながら、
やるべき作業と他の行動を細かく織り交ぜていく。
こんなふうに、注意を途切れ途切れにして生活すると、一見バリバリやってるように思えますが、その実は作業を切り替えるたびに、脳はいちから集中しなおすハメになっています。いつエンストしてもおかしくない……。
つまり、自分の脳を自分でいじめているのです。
しかし、クリエイティブ職の方には、上記のようなデジタル機器の使い方をしても効率が下がらない人がいます。それはなぜなのか?
次の項で、ラクになる方法と一緒に解説します。
マルチタスクから自分を解放する方法
普段から自発的なマルチタスク生活をしていると、おどろくほど集中力がなくて注意散漫になっているのですが、その最中に自分で気付くのはかなり難しいです。
マルチタスク生活から抜け出して、振り返った時に初めて気付けるかんじですね。病気から回復して健康な状態を自覚するのに似ています。
私事で恐縮ですが、無意識的にデジタル機器を使ったマルチタスク生活を続けてきた結果、私は恐ろしいほど集中力を失い、日頃から注意力散漫になって、落ち着きのない性格になってしまいました。
当然のように、思ったような結果も出せず、ネガティブな感情で自分をいじめ、挙げ句の果てには気力も体力も失っていました。恐ろしいことです。
では、どのようにこんな地獄から抜け出したのか?
1、パソコンなどを使わない趣味を始めたり、生活に運動やリラックス行動を取り入れる。(料理、筋トレ、ゆったりした音楽や自然音などを再生してながら聴きではなく集中して聴く)
2、ムダな事をリストアップした(使わないサービスやアプリを解約、見るニュースやメディアを減らす)
3、やりたくない事やストレスを発生させている事をリストアップし、回避方法を探した(代行サービスを見つけたり、ガジェットに頼ったり、やりたくない事そのものをやらない)
4、やりたい事、やるべき事について記録を書き始めた(結果のみを記入)
5、デジタル関連の通知類を切ったり少なくしたり、何かの合間に見たり、ながら見をしないようにする
6、アプリやゲームをいじったり、ネットサーフィンしてもいいけど、同時にやらず集中する。場合によっては時間を決めてやる。途中で気になっても他のことは一切しない。
これらは、
頭や心をいやしたり、好奇心を楽しませること、
頭をムダに働かせて疲れさせるものを減らすこと、
頭や心をいじめるものを排除すること、
自己評価せず記録だけつけること、
注意力を阻害するものを排除すること、
集中してやること、
となります。
休憩中や食事中のスマホながら見も、たしかに暇つぶしにはなりますが、集中力を奪い・注意散漫になり・脳に少しづつダメージを与えますので、飲食が終わってから一気に楽しむ方がベターです。
トータルでは、ネットやSNSに触れる時間が同じでも、同時に複数のことをせず、集中して利用した方が結果的には時間短縮になったり、心や脳が疲れにくくなりますし、場合によっては、気力ややる気が回復します。
脳の一番の的は、同時進行、マルチタスクだった。
人間の脳は未だマルチタスクに対応する進化をしていません。
出来るだけ、作業はまとめて、じゃまが入らない環境で行い、リラックスタイムを設け、新しいこともやって脳を喜ばせれば、人間の気力はおどろくほど回復します。私は、これを実感しました。
ながら禁止、ジャマをされない環境で、まとめてやる。自然や猫などで心と脳を癒やす。
これが、いまの私の最適解。みなさんにお伝えしたいことです。
少しでも、この記事がお役に立てば幸いです。