新刊のお知らせ──39年ごしの二部作長篇小説『吹雪の星の子どもたち』『翡翠の天の子どもたち』が完結
──39年ごしの二部作長篇小説『吹雪の星の子どもたち』『翡翠の天の子どもたち』が完結、7月20日、オーロラ自由アトリエから決定版合本を上梓します。
前篇『吹雪の星の子どもたち』に関しても初版単行本(1984年/径書房)に収録できなかった雑誌発表形の割愛分の復元を含め、200枚の増補、さらに後篇『翡翠の天の子どもたち』の書き下ろし900枚と併せ、総計1900枚・960ページの二部作が、完結しました。
以下、カバー袖、および帯文から、同書の内容を紹介します。
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二部作──39年ぶり、待望の完結。
大人になるため、おのおのの分身《星外脳》にいざなわれて、旅立つべき真冬の一夜──。死を運命づけられた命を見つめ、七人の少年少女が向き合う十数時間の試煉……。
生まれてきたこと、生きること、愛と死、自由と連帯の意味の根源を照射し、この最悪の時代に贈る、真の「希望」のありかの物語。
神を必要としない〝ただ、人間のみの、聖書〟をめざして──。
『吹雪の星の子どもたち』初版(1984年/径書房)から39年、加筆版決定稿に書き下ろし後篇『翡翠の天の子どもたち』を併せ、奇蹟の長篇小説二部作、ついに完結。全110章+序詞+終章=総1900枚・980ページ。
「あとがき──39年ぶりの、少しだけ、長い手紙」を付す。
◎『吹雪の星の子どもたち』初版(1984年/径書房)刊行当時の紹介記事から──
■ しなやかな感覚的な文体で作者が描いている物語は、生命とは何か、生きるということはどういうことなのかという根源的な問いを含んでいる。読み進むうちに浄化された詩的興奮を覚える。言葉の持つ力を改めて考えさせる不思議な小説である。
(『讀賣新聞』「文芸84/言葉の持つ見事な力」白石省吾氏)
■ 生きるとは、幸せとは、さらに人と人とのつながりを通して、支配、被支配の関係から軍隊、国家の存在まで、さまざまな思いを読者に抱かせる奇妙な実在感が漂う作品である。
(『信濃毎日新聞』「仮想世界/漂う実在感」)
■ これほどやさしく「生きること」「運命とは」「永遠とは」という難問を考えさせる本は少ない。〝身辺雑記〟に過ぎないと言われる小説が多いなかで『吹雪の星──』のスケールの大きさと洞察の深さは、確かに80年代の宮沢賢治と呼ばれる可能性を秘めている。 (『日経パーソナル』)
■ 作品は徹底した虚構で貫かれている。/しかし、単なるメルヘンではない。人物たちの長い対話はドストエフスキー的な存在論の地平にまで読者を誘い込む。
(『讀賣新聞』「挑戦する20代作家/虚構貫き、現実超える」長山八紘氏)
◉ 四六判・上製カバー装・帯付
◉ 総992ページ
◉ 定価 本体4800円+税
山口泉(やまぐちいずみ)
作家。1955年、長野県生まれ。1977年、東京藝術大学美術学部在学中に第13回太宰治賞優秀作を得、文筆活動に入る。
◉ 小説 『旅する人びとの国』上下巻(1984年/筑摩書房)『宇宙のみなもとの滝』(1989年/新潮社)『悲惨鑑賞団』(1994年/河出書房新社)『オーロラ交響曲の冬』(1997年/同前)『神聖家族』(2003年/同前)『アルベルト・ジャコメッティの椅子』(2009年/芸術新聞社)『重力の帝国』(2018年/オーロラ自由アトリエ)等12冊。
◉ 批評 『星屑のオペラ』(1985年/径書房)『アジア、冬物語』(1991年/オーロラ自由アトリエ)『辺野古の弁証法』(2016年/同前)『まつろわぬ邦からの手紙』(2019年/同前)『「新しい中世」がやってきた!』(1994年/岩波書店)『テレビと戦う』(1995年/日本エディタースクール出版部)『宮澤賢治伝説──ガス室のなかの「希望」へ』(2004年/河出書房新社)『原子野のバッハ――被曝地・東京の三三〇日』(2012年/勉誠出版)等11冊。
◉ 画文集 『死の国からも、なお、語られ得る「希望」はあるか?』(2021年/オーロラ自由アトリエ)
※ 同収録絵画作品は、本年10月28日~12月24日、足利市立美術館にて、企画展開催予定。
■ 現在『週刊金曜日』に同時代批評『肯(うべな)わぬ者からの手紙』を連載中。
ウェブサイト『魂の連邦共和国へむけて』
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ブログ『精神の戒厳令下に』
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フェイスブック、インスタグラムもあり。
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今後、この大冊の刊行・配本に向け、随時、関連情報を発信する予定です。
継続的な御関心をお寄せいただければ幸いです。
▼『吹雪の星の子どもたち』初版(1984年/径書房刊)カバー書影