士業サミットのコンセプトができるまで
マネーフォワード クラウドシリーズのブランディングを担当している野本です。この度、7/5(金)に行われた「士業サミット 2019」のコンセプト・ビジュアルづくりを担当しました。今回はその過程についてお話します。
イベントコンセプトづくりが初仕事
私は今年の4月にマネーフォワードに入社し、初仕事としてこの重要なイベントのコンセプトづくりを任せてもらいました。
マネーフォワードのクラウド事業では、最近新しく「ココロ動かすクラウド」という事業指針を立てました。代表の辻をはじめ、社員の思いがたくさん込められた指針です。私はまずこの指針をベースに、士業サミットのコンセプトを考え始めました。
当初は、コンセプトづくりに難しさを感じていました。
私たちにとってパートナーである士業の先生方は、難関な資格試験を見事に突破し、日本中の経営者の参謀役をこなしています。コンセプトを考えるからには、そんな優秀で高度な仕事をこなされている士業の先生方を深く理解し、彼らに「伝えたいメッセージ」を明確にする必要がありました。
幸いマネーフォワードには、士業資格を持ち実務経験のあるメンバーも多く在籍しています。そこで、私よりも士業の先生方の事情に詳しい社内のメンバーから情報収集をしたり、ブレストでアイデアをもらうことから始めていきました。
営業からのヒアリングで「思い」を明確に
はじめに、日々士業の方々と向き合っている営業メンバーへヒアリングを行いました。そこで気づいたポイントはこちらです。
・士業とは、経営者の参謀役のような存在であり、日本の99%を占める中小企業を活性化できる、未来を担っている稀少な職業であること
・マネーフォワードの営業メンバーは、士業の方々に「どう売るか」ではなく「どうやったらサポートできるか」という視点で士業の先生と向き合っていること
マネーフォワードは、ミッション・ビジョン・バリューが社内に浸透していて、特に「ユーザーフォーカス」は社員の日々の行動や思考に深く根付いています。そのため営業メンバーは、ユーザーである士業の先生方に、本当の意味で役に立つことは何か、毎日必死で考えています。そしてそれが、日本経済の活性化につながると考えています。
電話口で対応している姿や、営業に同行した際のメンバーの真剣な横顔を見て、「メンバーが士業の先生に、『心から伝えたい』と思っていることをコンセプトにしよう」と決めました。
広報とのブレストで「思い」を「言葉」に
情報収集で得たことをもとに、事務局と広報メンバーを交えてブレストを行いました。
ブレストから絞られたコンセプト素案はこちらです。
士業の未来を考えるサミット
続けて、この素案を元に当社のクリエイティブディレクターである渡辺潤平さんに相談をしました。言葉を削ぎ落としていただき、本来伝えたかった社員の思いの部分を、会議名称と別に「スローガン」として言語化していただきました。
士業サミット 2019
士業の未来は、日本の未来だ。
この言葉をイベント事務局や現場のメンバーに共有してみると、みんな表情や目がキラキラしはじめました。それはきっと、メンバーが心の中では思ってはいたものの、ちゃんと士業の先生方に面と向かってお伝えできなかった「思い」や「感謝」のようなものが言語化され、見える形になったからだと思いました。
デザイナーが「思い」を「ビジュアル」に落とし込む
次に、イベントコンセプトを「ビジュアル」にすることに着手しました。会のコンセプトを伝え、外部のデザイナーの方につくっていただきました。
■最初の案
士業サミットの開催イメージを表したビジュアルです。
他にもたくさんご提案をいただきましたが、 この案を選んだ決定的な理由は
・人が主役
・温かみがあること
ということでした。
(この他にも、全国5都市同時開催を表現した案もありました)
■最終案
事業指針「ココロ動かすクラウド」を軸に検証し、最初の案に下記の要素を足していきました。
・人のココロを動かす「力強さ」
・「ワクワクする躍動感」
・寄り添いながら未来を見据える「ポジティブで爽やかな色味」
熱量を伝える「一貫したクリエイティブ」
クリエイティブ制作を進めながら、業界を問わず様々なイベントに出向き、特徴を研究しました。
その結果、主催者の熱量が伝わり高い満足度が得られるイベントは、共通して「コンセプトを会場の装飾から資料の細部にまで徹底して落とし込んでいる」という特徴があることがわかりました。
そのため、今回のイベントでは、事前の告知チラシや当日パンフレットに到るまで、コンセプトを軸に一貫したクリエイティブディレクションを行いました。
その甲斐あってか、イベントの告知開始と同時に高い注目度をいただき、士業向けのイベントがランキング化されているサイト「セミナーブック」で、全国のイベント中1位を獲得しました。
ついに迎えたイベント当日
イベント当日は全国の多くの士業の方々にご参加いただき、大盛況で終えることができました。準備してきたクリエイティブを通じて、私たちが導き出したコンセプトを伝えきることができたと思います。
※当日のプログラムについて詳しく知りたい方は、こちらのレポートをご覧ください。
コンセプトがイベントにもたらす意味
コンセプトは、会の目的と着地イメージを定める重要な役割を担います。
準備期には全て制作物や登壇スピーチの判断の基準になり、当日には、社内外関係なく、会場にいる全員の意識をつなぐ重要なキーワードになります。
今回、「士業の未来は、日本の未来だ。」という、社員の「思い」を形にしたコンセプトにより、社員が普段考えている内容を、お客様に少しはお伝えすることができたかもしれません。
でも、マネーフォワード社員がユーザー様に伝えたい「思い」は、まだまだ山積しています! 1回のイベントでは全然伝えきれないですね。
マネーフォワードでは引き続き、一人でも多くのユーザーの皆さまに、社員が「考えていること」を、イベントや発信を通じて伝わりやすい形で見える化し、お伝えし続けますので、これからもよろしくお願いします。