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噛むことと脳の活性化

今週は噛むことと全身の健康について少し簡単にご紹介したいと思います。
まず、食事の際に食べ物を噛むことにより食べ物を細かく砕くことで、消化器官への負担が減り、栄養素を効率よく吸収できます。さらに、噛むことにより得られる効果があります。
これまでの研究データから、噛むことで脳の活性化が促されることが明らかになっています。噛むことで脳が得られる効果には次のようなことが挙げられます。
1つ目は、脳の血流の増加。噛むことで、顎と顔面の筋肉が動き、顔周辺の血流が増加します。この血流の増加は顔に近い脳にも影響を及ぼし、脳に新鮮な酸素や栄養を運んでくれることで脳の働きが活発になります。
2つ目は、脳の活性化。噛むことで血流が増加し、それにより脳の運動野や感覚野、前頭前野、 小脳などの働きが活性化されます。特に脳の前頭前野は判断、感情、行動、記憶、コミュニケーションなどをつかさどる重要な部分です。また、脳の中心に近い海馬も活性化します。海馬は「記憶の司令塔」と言われる重要な部分で、位置や場所、方向などを把握する空間認知能力もあります。海馬の機能が落ちると空間認識能力も低下するため、自分がどこにいるのかわからなくなります。噛むことで海馬の機能も活性化されます。
3つ目は、ストレス軽減です。ストレスがかかると、脳は過剰に働き、疲労を感じやすくなります。噛むことは、ストレスを軽減する効果もあるとされています。ガムを噛むなどの行為がリラックス効果をもたらし、結果的に脳の健康を保つ手助けになります。
これらのことを意識すると、噛むことの大切さを認識できるのではないでしょうか。そのために、噛むことを生活習慣に取り込むことが大切です。最後に噛むことを取り入れるために行うと良いとされていることをご紹介します。
ゆっくりよく噛んで食べることを心掛けましょう。豆腐などの軟らかい食べ物は難しいですが、野菜や果物、肉、魚などしっかりとした形のある食べ物を食べる際は30回以上噛むことが理想的とされています。こういった適度に硬い食材を食事に取り入れることで、自然と噛む回数が増加していきます。
また、食後やリラックスしたい時にガムを噛むのも一つの方法です。ただし、砂糖の含まれたガムはむし歯の原因になるので、シュガーレスのガムを選ぶことを推奨しています。
噛むことが脳の活性化に役立つということはあまり意識されていないかもしれませんが、1日3回の食事で自然と脳が活性化するので、次の食事から早速行うことが可能です。年齢を問わず簡単に実践できる脳の健康法なので、ぜひ噛むことを意識して、脳の活性化を図ってみてください。
いずみ中山歯科では、予防歯科の一環としてお口と全身の健康をサポートするための食事指導なども行っていますので、お気軽にご相談ください。

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