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CT

 先々週からお伝えしてきた歯科の放射線についての3回目となる今回はCTについてご紹介します。ちなみにCTとは「Computed Tomography」の略です。

 上の写真がCT画像です。画像内の左上は顎を水平方向に映し出した断面、左下は頬から頬を垂直方向に映し出した断面、右下は体の前後方向に映し出した断面で、全て同一箇所を違う方向断面から見ているものです。右上はそれらを組み合わせて立体的に合成した画像です。
 上記のように歯科用CT画像は歯や顎の骨を3次元的(立体的)に様々な方向断面から診断することができます。そのため、インプラント治療はもとより、親知らずの抜歯、歯周病、根管治療(歯の根の治療)など、あらゆる歯科治療に有効な検査診断方法です。
 従来のレントゲン装置(デンタルレントゲンやパノラマレントゲン)との違いは、従来のレントゲンが2次元で平面的あるのに対して、歯科用CTが3次元(3D)で立体的に画像をとらえることができる点が大きな違いです。
1. 見えなかったものが見えてくる(可視化)
 例えば親知らずの根の先がどの方向に向いているのか、どのような形態をしているのかを歯科用CTでは3次元的にとらえることが可能になります。
2. 経験と勘に頼ってきた部分に客観性を与えることができる
 例えば難治性の根尖性歯周炎(根の先の病気)は、従来のレントゲンでは根の先の異常をはっきりと確認できないケースがあり、実際に被せ物を外し、症状を確認しながら治療を行うことがありました。歯科用CTを用いれば処置前に様々な位置から歯の根の状態、破折部等を確認することができるようになるので、診断に客観性を加え、効率的な治療を行えます。
3. より安心安全な治療を行える
 特にインプラント治療においては、下顎神経や上顎洞の位置関係、骨の厚みや骨質等をしっかり把握し、手術時のリスクを最大限軽減させる必要があります。また、下記の写真のように埋入位置や埋入の深さ、インプラントの大きさをシミュレーションしながら決定し、患者さんに説明する際にもCTの撮影は現在必須となっています。当院はデジタル化された歯科用コーンビームCTを設置していて、これによりパノラマレントゲン(フィルム)と同程度、医科用CTの125~750分の1の低被ばく線量ながら、高解像度のデータを必要な時すぐに確認・説明することができます。

 CTはデンタルレントゲンやパノラマレントゲンよりも若干被ばく線量は高いものの、それでもいずみ中山歯科で使用しているCTの被ばく線量は0.05ミリシーベルトと従来のレントゲンよりも8分の1程度までに軽減されていますのでご安心ください。

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