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『ダブリンの鐘つきカビ人間』観劇記録・7/6(昼)

『ダブリンの鐘つきカビ人間』がミュージカルになるだと?これは観たい!Travis Japanのメンバー(よく知らない)がW主演?チケット取れる気がしない…などと葛藤(というほどのことでもない)していましたが、運良く抽選で引っかかったので観てきました。
数年振りの国際フォーラム(横はよく通る)は、やっぱり客席から舞台が遠いなあ…。Travis Japanのファンと思われる若い娘さん(アクスタとか持ってポスター写真撮ってる)とちょっと年代が上のお姉様方と…その間にちらほら混じるおじさん(演劇ファンかな?)という客席。…私はおじさん寄りです。

この前でアクスタと記念撮影してる人がたくさんいました
それにしてもちょっと不気味ですね…


この『ダブリンの鐘つきカビ人間』なんですが…実は2005年にストレートプレイ版を観てます。なんと19年前ですよ!今思い返してもワクワクするキャストでした。この頃は観劇ビギナーでしたが、「爆笑しながら号泣するという衝撃の体験をした!」という感覚は今でも覚えております(19年前のことなのに!忘れっぽいのに)。
まあ内容の方はおぼろげなんですが…σ(゚Д゚*)(探せば家のどっかにその時の観劇メモとチケットの半券があるはず←探す気はない)


物語は…人によって症状が異なる奇妙な病が蔓延した土地が舞台。カビ人間とおさえちゃんが徐々に心通わせていくハートフルかつ悲劇的なストーリーと、それを過去の話として聞く(でもその中に入り込んで奇跡を起こすという伝説の剣ポーグマホーンを探す旅に出る)聡と真奈美のストーリーの2つがメインといえるかな?(ざっくり)そこにいろんな登場人物たちが絡んできます。

とはいえ↑はかなり適当なので…
気になる方はこちら↓からストーリーを確認していただけば幸いです。

そんな『ダブリンの鐘つきカビ人間』の感想を、気の向くままに書いてみます(ついでにネタバレしてます)。

霧の中迷った聡と真奈美がたどり着いた老人の家。その部屋の壁に飾られているものを見て、「これは登場人物たちのシンボルだな」とひとりニヤニヤしてみたり。
だけど私の記憶がなさすぎて…「あれっ?こんな感じだったっけ?」「笑いはどこ行った?」と困惑。最初は思ったよりシリアスに話が進んでいくし、最初の歌が不気味だし、めっちゃミュージカルだし。

19年前に観た時の記憶にあるのは、号泣することとなったクライマックスがうっすらと…そして異様に頭に残る群馬水産高校のくだり(高校名は忘れてたけど野球部だってことは覚えてた)。急に世界観が変わったので、実は今回観るまでこの辺りはずっとアドリブだと思ってましたよ…。ライトとレフトって黄金バッテリーじゃないじゃん!市長と神父適当だな!

群馬水産高校のほかにも…会話に知らない人の名前が入る病に侵された戦士(なぜか日本人の名前が多い)とか、見た目がアレな馬(でも芸が細かい)とか、その戦士と馬のやり取りとか、急に始まるバラエティーショーみたいな場面とかの笑い所が出てくると「待ってました!」という気分。
クセ強の登場人物たちの中で一番普通の人っぽい聡だって…ザリガニ?(ではないらしい)の被り物したり、エルビス・プレスリーになっちゃうし(エルビス意外と大活躍!)。他にもいろんなところで笑いの種が蒔かれていて、「この作品の世界観とは?」と思ったりもするけれど…そこが良いんだよ♪ヽ(*´∀`)ノ

でも笑いだけじゃない!

結局のところ…カビ人間とおさえちゃんの物語のクライマックスでまた号泣してしまいましたとさ。・(つд`。)・。

病により内面が美しく外見が醜く変わってしまい、皆から嫌われ疎まれているカビ人間。けど記憶を失ったとはいえ…元々は相当ひどい奴だったらしいので、それもあって嫌われてるのかな(同情はできんな)。おさえちゃんの父親のジジイ(←役名だよ)が失明したのもカビ人間が原因っぽいし(詳細不明)。でもジジイはカビ人間とも普通に話す唯一の人間で、こういう人がいると安心感があるなあと思う…見た目超ファンキーだけど。
一方娘のおさえちゃんの方は、他の人々と同様にめっちゃカビ人間のことを嫌がっている。おさえちゃんの病は思ったことと反対の言葉しか話せないというもの。だから「来ないで!」が「来て!」になってしまい、病のことを知らないカビ人間とのやり取りがちぐはぐなものになるところが面白くもあるのだけれど。勘違いしたカビ人間はストーカーみたいになってるし…おさえちゃんにしてみれば恐怖だろうなあ。

そんな中あることがきっかけで、おさえちゃんは徐々にカビ人間に心を開いていくわけなんですね。お互いに相手のことを解ろうとするところが初々しいというか、ピュアな感じがして…良いと思いますΣd(゚д゚*)
でもカビ人間が触れた植物は枯れてしまうし、おさえちゃんに触れようとすると傷付けてしまう…切ない。

そんなささやかで幸せな時間を壊すような事件が!神父と市長の策略によって教会に火が放たれた!カビ人間がその犯人に仕立てられた!
おさえちゃんは庇おうとするも、なんせ言葉が逆だからむしろカビ人間狩りを煽動する形になってしまう。ここらで「もう喋るのやめてあげて!」と思ってしまうのですが…やっぱり暴動を止めたいよねという気持ちも分かるので、観ていて段々苦しくなってきます。
カビ人間はカビ人間で鐘をつく職務を全うしようと教会に向かい人々の前にその姿を晒すわけですが…結局撃たれてしまう。お昼10分前の鐘をつくことが存在意義とはいえ…「おさえちゃんの忠告聞いて逃げようよ」と言いたい。

聡と真奈美が戦士と共闘して手に入れたポーグマホーン。1000人斬ると奇跡が起きるというその剣を手にしたおさえちゃんは「奇跡なんてくそくらえ!」と叫び自分を刺してしまう。その奇跡を願う叫びが悲痛すぎてここで涙腺崩壊。いや、この2人の物語がハッピーエンドでないことは最初から知っていたんだけどさ…。おさえちゃんが望んだ奇跡が起きて欲しかったなあ。

この話の中ではカビ人間とおさえちゃんの悲劇に目が行ってしまうけど…でも一番ひどい目にあったのは戦士じゃなかろうか?ポーグマホーンを探す旅に出ている間に、婚約者のおさえちゃんはカビ人間といい感じになってるし、せっかく剣を手に入れたのにおさえちゃんは自分で自分を刺しちゃうし。…踏んだり蹴ったりですね!
悲しんでいる戦士とジジイ、奇跡が起きて喜ぶ人々との対比が苦い現実を突き付けてきます。
それに偽情報に惑わされて事実を確認せず、異物を排除するかのように行動する人々の集団心理が恐ろしくもあり、考えさせられる。しかも奇跡が起き自分の病が治ったことで、自分がしたことの意味を考えもしない…この辺りの人々の行動が「自分はどうか?」と問われているような気もします。
別れる寸前の聡と真奈美は、この一連の出来事を見ていて思うところがあったのかな?2人でやり直すのかな?と思わせておいての…まさかのホラー展開!
最後の最後でこんなことになるのか!
ラストシーンの記憶がなかったのでマジでびびりましたよ…Σ(゚д゚lll)(…ホラー苦手なんだって!)

『ダブリンの鐘つきカビ人間』…笑いあり、涙あり、考えさせられるところあり、のてんこ盛りなダークテイストなおとぎ話でした。観ててある意味しんどい。
その代わり?カーテンコールは和やかでした。でも鐘つきをさせられるとは思っていなかったよ…?(←恒例行事だそうです)

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