腹筋【腹横筋・腹斜筋】②呼吸運動
*こちらの記事は、いずみ訪問看護ステーションのアメーバブログ内で以前に投稿された記事と同じ内容になります。
前回の腹筋【腹直筋ほか】①運動の起点に引き続き、
今回も腹筋【腹横筋・腹斜筋】②呼吸運動についてとなります。
お腹に力を入れる際には、自然と息が止まりますよね?
そうです。
腹筋の収縮と呼吸運動は密接に関係しあっています。
上記の図のように、
息を吸い込む際には、肋骨が広がり、横隔膜が下がり(収縮し)、結果的に肺が広がります。
息を吐くこと自体は自然に出来ますが、さらにもっと息を吐こうとすれば、肋骨(胸骨)を下げて肺の容量をさらに少なくします。
この、「肋骨や胸骨を下げる」という働きが腹筋群にはあります。
つまり、息を頑張って吐くこと自体が、腹筋のトレーニングになります。
腹式呼吸とか、横隔膜呼吸とか言ったりします。
あと、腹圧という言葉も聞いたことがあるかもしれません。
咳をする際には腹圧が高まるとか、排便でいきんだ際に腹圧がかかるとか。
上記が腹圧が高い/低いの図になりますが、詳しく説明すると、
上側にある横隔膜と、後ろ側にある背骨と、下側にある骨盤底筋が、
前側にある腹直筋、左右横にある腹斜筋・腹横筋が、
それぞれの内側方向へ収縮することで腹圧を高めることができます。
#よく分からん
上記の腹圧が低い例では、
・横隔膜が上に上がって緩んでいる
・腹直筋も緩んでお腹が前に出ている
ということで腹圧が上側や前側に逃げてしまい、結果的に腹圧が下がっているということになります。
他にも、背中がすごく曲がった高齢者の方では、
背骨が本来の位置よりも後ろへ弯曲(わんきょく=曲がること)するため腹圧は後ろ側へ逃げやすく、腹圧が下がりやすいという状態になります。
また出産直後は骨盤底筋が緩みやすく、腹圧が下側へ逃げやすいため腹圧がかかりにくくなります。
健常な方であれば、息を止め(横隔膜を固定し)、お腹に力を入れる(腹筋が収縮する)ことで自然と腹圧が高まります。
ここで冒頭で述べた「お腹に力を入れる際には、自然と息が止まりますよね?」の説明につながっております。
腹筋を鍛える際には、呼吸を止めるとか、思い切り息を吐き続けるとか、そういった要素も少なからず関係します。
血圧が高い方や、呼吸症状がある方などは無理のない範囲で気をつける必要があります。
ではまた次回!