書く技術と話す技術の共通点
仕事が一段落したので、noteでフォローしている方が紹介されていた『「文章術のベストセラー100冊」のポイントを一冊にまとめてみた。』を一読してました。
読もうと思った理由は、ブログは始めてみたものの、句読点の位置や見出しの効果など、色々と迷うことが噴出してきたことでした。
私の見方を一言で言うと「この本には、通訳や話す技術にも活かせる沢山のヒントが詰まっている」です。
ポイント1位から40位の中から気になった項目をリストアップし、その共通項を紐解いてみます。
1位「文章はシンプルに」と5位「わかりやすい言葉を選ぶ」
ブログ等では難解な言い回しが続くと、敬遠されて他の記事に読者が逃げてしまうのも、自分の経験から納得です。耳から聴いて一発で理解してもらうという意味では、通訳ではなお一層重要な要素です。
2位「伝わる文章には型がある」
この本では、結論を先に持ってくるなど、伝わりやすい文章の構成方法について解説してます。
通訳では話者の話の構成自体を組み直すことは難しいです。しかし、日本語の文章では、主語を先に言わないことが、往々にしてあります。英語にするときには、順番を組み替える必要があります。
頭ごなしに一語一語訳すのではなく、英語の語順に忠実に、S(主語)+V(動詞)から始めることを心がけるだけでも、聴きやすい通訳になります。(5文型についてのわかりやすい説明は、以下のサイトにありましたので、引用させて頂きます。)
3位「文章も見た目が大事」
余白や段落分けの大切さが書いてありました。通訳者で言えば、文章と文章の間にポーズを置くだけでも、聴きやすさが格段に違ってきます。
11位「主語と述語はワンセット」
主語と述語が遠く離れていては、文章が判りにくくなってしまいますし、誤解を引き起こすこともあります。通訳をする際も同様、主語と述語は近い位置に置きたいです。
34位「わかりにくいカタカナ語は日本語に」と18位「読み手を強く意識する」
どのカタカナ語が「わかりにくい」のかが、具体的にリストアップされています。私のカタカナ使用の第一の目安は、10歳の息子も88歳の父親も同様に、違和感なくその言葉を受け入れてくれるかです。第二の目安は、聴き手の属性です。聴き手が学者なのか専門家の集まりなのか一般聴衆なのかによって、言葉選びやどこまで日本語にするかを調整することがあります。
20位「名文を書き写す・真似る」と28位「日頃から内面を豊かに耕す」
知らない語彙は訳せませんし、聞き取れません。また私には「こんな概念を一言で表す言い回しがあったような気がするんだけど」と歯がゆい思いをすることが日々あります。
同著で紹介されていた日経新聞の「春秋」の書写を始めてみようかな、と思っています。他にも、著名人がどのような本からその豊富な語彙や考え方を育んできたのかが紹介されています。
さて、今回私は、この本を読む際に、自分の職業との共通点に焦点を当てましたが、通訳者でない皆様には、また違った視点での発見があるでしょう。
この投稿が、この本を読まれるきっかけになると嬉しいです。