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154 いざ、10年夢見たアメリカの大学へ!

お盆終わりに。


いよいよ、娘が8歳の頃から憧れてきたアメリカの大学に入学する時がやってきました。

授業が始まるのは8月末からでしたが、大学から「留学生は1週間早く入寮するように」という指示が。
留学生のみのオリエンテーション・ウィークというのがあるそうなんです。

そこで、お盆のすぐ後、まだ航空券の高い時期に泣く泣く渡米しないといけませんでした。


3年前、15歳で初めてアメリカの高校に留学するのを羽田で見送った時は心配も多かったけど、今回はもう18歳。
小学校の同級生たちはまだ高校3年生、これから冬の受験期に向けて頑張ろうという時でしたが、娘は一足早く大学へ。

でも、先日の大学訪問で私もどんな大学かがわかっているので、安心して送り出すことができます。

荷物はリュックと中型のスーツケースに入るだけ。
生活に必要なものは現地で手に入れればいいということで、持っていくのは最低限でした。


大事なものを忘れた!


ところが、 娘は大事なものをリュックに入れるのを忘れてたんです。
I-20(アイ・トゥエンティ)という、 大学から発行された在学証明書。
渡航時に、アメリカ政府から発行される学生ビザ(F1)とともに必要なものなんですが、家に置いてきてしまったよう。

前日に私も
「パスポートとかは持ったの?」
みたいなアバウトな確認はしてたんですが、持ち物を一つ一つチェックしてやるみたいなことはしていませんでした。

空港の手続きの時にリュックの中を探して
「ない!」
と、青ざめる娘。
「あっりゃーーーー」
と私も絶句。

まさか、飛行機に乗れない!?

家に取りに帰らなきゃいけないのか、今日の出発は諦めなきゃいけないのか焦りましたが、職員さんが考慮してくださって、学生ビザがあるのでとりあえず渡航はOKということに。
後から私が郵便で送ることになりました。


まさかの大失敗ですが、本人にとっていい経験になったと思います。

親がいちいち全部チェックして、
「パスポートは持った? ビザは? I-20は?」
とやっていれば失敗はしなかったかもしれないけど、これから娘が暮らすことになるのは、すべて自己責任でどんな危険が待っているかわからない国。

「チェックしてもらってできる」じゃなくて、「自分でちゃんとできる」ぐらいにならないと、女の子一人安心して生きていけないでしょう。

アメリカじゃなくても、いつまでも親がいちいちチェックしてたら自分でできるようになりませんよね。

忘れっぽくて穴だらけの娘だけど、必要なものを忘れると空港で慌てることになるという経験ができて、もう同じ失敗はしないはず。
そういう意味では、早いうちに失敗しておくのも大事かもしれません。


どうなることかとハラハラしましたが、娘は無事に搭乗口に向かい、
「行ってくるよ!」
と手を振ってゲートの中へ消えていきました。


親は空の巣・・・。


娘を見送った後、一人たたずむ私。
実は、涙が溢れてしまっていました。

高校留学の時はたった3ヶ月ということもあるし、まだ15歳だったのでただ心配なだけだったんですが、今回はいよいよ巣立ちしてしまったっていう感じがしたんです。
年末には帰ってくるので4ヶ月会えないだけなんだけど、そうじゃなくて。

私はもともと、18歳になったら親の元を巣立つものと思って、それまでに自分のことは自分でできるように、と育ててきました。
だからこそ、いよいよその時が来てしまったなって。

ここから先は娘の人生。
親ができることは、見守ることしかない。

夢を叶えて希望いっぱいで旅立っていく姿は、親としてすごく嬉しい反面、同時にものすごく寂しくなっちゃって、羽田から帰る電車の中でも何度も涙が出てしまいました。


そんな時、友達からLINEが来たんです。
見ると、小さな飛行機が空を上っていく動画。

そういえば前日、友達に
「〇〇ちゃんは明日何時の飛行機なの?」
とLINEで聞かれて、
「16時35分発よ〜」
なんて返信してました。

それが、友達はちょうど羽田から出発する飛行機が見えるところに住んでいて、わざわざその時間にベランダから空を見上げて撮影してくれたようなんです。

「35分発だと、たぶんこれだと思うんだけど。
無事に飛び立ったかな。」
と動画と一緒にメッセージが。

寄り添ってくれる友達のありがたさに、違う涙が溢れてきて、電車の中なのにもう抑えられませんでした。


まだ誰もいない寮に。


家に帰って、空っぽの娘の部屋を見てまた寂しい気持ちは湧き上がっちゃいましたが、もう大丈夫。
友達の支えのおかげで、空の巣症候群には陥らずにすみました。


一方、娘は無事にアメリカに入国。
乗り換えの空港で
「アメリカに着いたよ〜!」
とLINEが来て、その後無事に大学に到着したようです。

一般の学生たちより一足早く大学に到着したのは、全部で60人ほどの留学生たちだったそう。
受付で手続きをして、それぞれ別の寮の部屋に入り、荷物を置いて。


娘の寮には、寮の管理者である2年生の先輩が1人いるのみで、他の留学生は入らず。
先輩がコモンルームやシャワールームの使い方など、いろいろ教えてくれたそうです。

コモンルームというのは、ハリー・ポッターなどでも寮生たちが集まっておしゃべりをしたりしている談話室のようなもの。

ホグワーツを思わせるコモンルーム

夜は1人で自由にテレビを見たりできたのですが、まだ同じ階に誰もいないので、ちょっと怖かったそうでした。


いったいどんな経験をすることになるのか。

いよいよ本格的なアメリカでの冒険に挑むサムライ・ガールの物語は、意外なオリエンテーション・ウィークから始まります。


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