Now And Then
ビートルズの最後の新曲が11月2日に配信された。
”Now And Then”
配信前には、
AI で人工的に合成した曲だと言うひとたちがいた。
いいかげんなことを言うな。
ジョン・レノン
ポール・マッカートニー
ジョージ・ハリソン
リンゴ・スター
ビートルズのこの4人が一緒になってレコーディングした、
正真正銘のビートルズの曲だ。
4人のその時々の生の声と演奏が詰まっている。
まぁ 聴いてほしい。
ポール、ジョージ、そしてリンゴの3人の話をまとめると、
こういうことになる。
1979年:
ジョン・レノンが”Now And Then”をピアノの弾き語りで歌い、
それをカセットテープに録音した。
1980年:
ジョンがニューヨークで拳銃に撃たれ死亡。
ジョンのカセットテープは妻のオノ・ヨーコが保管した。
1994年:
久しぶりにポール、ジョージ、リンゴの3人が集まり、
何か面白いことをするならジョンの参加がいるね、
という話になった。
ちょうどそんなとき、
ジョンが残したカセットテープがあると、
オノ・ヨーコから連絡があった。
よし、これを使って新しいレコードを作ろう。
1995年:
ポールの自宅のスタジオにジョージとリンゴが訪れ、
3人でレコーディングを始めた。
ジョンがカセットテープに残した声に、
3人の歌と演奏を新しく重ねようとした。
そのためには、
ジョンの声にピアノの音が混じった音源から、
ジョンの声だけ抽出して分離する必要があった。
ところが、当時の技術では、
ジョンの声だけきれいに分離することができなかった。
いろいろやってみたけれども、
どうしても無理だった。
やめておこう。
こうして ”Now And Then” はお蔵入りになった。
ジョンが今ここにいてくれれば・・・
3人にとってジョンの不在が明確になった。
ただ幸いなことに、
その時ジョージのギターソロが録音されていた。
2001年:
ジョージが癌でこの世を去った。
まだ58歳だった。
ポールとリンゴのふたりだけになった。
これでもう3人でレコードを作ることができなくなった。
2022年~2023年:
時は過ぎ、2022年になって、
ビートルズの映画 ”Get Back”の製作中に、
ピーター・ジャクソン監督のチームが、
声と楽器の音を分離する技術を開発した。
この技術を使えば、
ジョンの声だけ抽出できそうだ。
そしてピーター・ジャクソン監督が、
実際にジョンの声だけ分離して取り出してくれた。
「クリスタルクリアー!」とポールが言った。
それは紛れもないジョンの声だった。
生きたジョンが現れたかのようだった。
よしこれを使って新しいレコードを作ろう。
ポールがベースを弾き、
リンゴがドラムを叩き、
2人でコーラスを入れ、
ストリングスを加え、
そして最後に、
ジョージのギターソロを入れた。
1995年に録音しておいたあのギターソロだ。
こうして、
”Now And Then” が完成した。
1979年から実に44年の時間をかけて、
ビートルズの4人が一緒になってレコーディングした、
正真正銘のビートルズの新曲だ。
最後の新曲だ。
生きていたジョンが、
1979年にピアノの弾き語りを残し、
生きていたジョージが、
1995年にギターソロを残し、
ポールとリンゴが今生きているからこそ、
この曲はできたのだ。
生きているということは素晴らしい。
まったく、
生きているということは素晴らしい。
Now And Then.
いま そして そのときに。
(補足)
この動画に”Now And Then” 完成までのストーリーがまとめられている。興味のあるひとは観てほしい。
これは”Now And Then” のミュージックビデオ。
実に面白くつくられている。
興味のある人もない人も見て欲しい。
最後にジョン・レノンへ愛をこめて。
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