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チキンキエフが食べたい

とにかく
私は
チキンキエフが食べたい
ナイフを入れると
湯気が立ち昇っているところから
ガーリックバターが沁み出てくる
フォークに刺してがしがし噛む
パン粉の衣と鶏肉とガーリックバターとハーブ
ぐちゃぐちゃに混ざって
胃の中に入ってゆく
チキンキエフが食べたい
胃の中に置き忘れた
歯ブラシには悪いけれど
とにかく
わたしは
チキンキエフが食べたい
2022年2月24日
ロシアがウクライナを侵略してからというもの
チキンキエフを食べていない
とにかく
私は
チキンキエフが食べたい
夕日ははやく沈め
赤くならなくていいから
はやく沈め
とにかく
私は
チキンキエフが食べたい
誰が何と言っても
私は
チキンキエフが食べたい

(注)
チキンキエフはウクライナの郷土料理。
ざっくり言えばキエフ風チキンカツ。
そして、キエフとはウクライナの首都キーウのこと。


チキンキエフが絶品だった洋食屋「クック ナカタ」
今はもう無くなってしまった


(突然ですが)
『塁上の孤独』という私の詩(2024年9月25日note投稿)が、
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いろんな人の面白い詩や4コマ詩が一杯あります。
一度ぜひ読んでみてください。


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