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料理の豆知識(メキシコの唐辛子の種類と調理の仕方)

今回は、カルチャーショックシリーズから離れて、食べ物が大好きな私が今まで学んできた料理の歴史や豆知識を紹介して行きたいなと思います。せっかくなので前回話した唐辛子の種類そして辛さを控えめにする調理方法などを話していきます!

その前にちょっとした歴史のお話。メキシコはいつから唐辛子を食べられているのでしょうか?それは、スペインがメキシコ領土を征服する前からだと私は思います。それが確実だということは言えないのですが、たぶんそうだろうと歴史上でも思われています。
    古代メキシコ領土の暮らしや文化というものは、迷信や伝説が多く、中には研究者が取り残された史料で理論することもありますが、何が正解か本当のところ分からないのが事実です。この征服のせいで、その頃住んでいた庶民も数少なくなり、現在まだ残っているコデックスも大体がスペイン征服後のものです。

例えば、Códice Mendoza (コデックス・メンドサ)はスペイン征服後、描かれたコデックスの一つです。(https://bdh.hypotheses.org/tag/codice-mendoza

だから、私の答えも大目に見てもらったほうがいいかと・・・。それでも、メキシコ革命の頃、鉱山労働をしていた人たちは、唐辛子をそのまま食べる習慣をもっていました。大量に唐辛子が育つメキシコでは、それが一番安くて、多くの労働者にとってお手軽だったのでしょう。唐辛子を野菜かのようにトルティーヤ(メキシコの主食、とうもろこしの粉で出来た薄焼きパン)と一緒に食べていたそうです。
    これをスペイン征服時代に繋げると金が山ほどあったメキシコでは、鉱山労働が大事でした。となると、その昔この仕事をしていた人たち、世代がかわっていく中でもメキシコ革命の頃までこの習慣を保ったのでは?とちょっと考えすぎちゃいました。

1.唐辛子の種類、それぞれの調理の仕方

メキシコには色々な唐辛子が存在します。唐辛子のサイズと色、そして乾燥されているかいないかでなんとなく簡単に分類が出来ます。そして、その分類によって、どんな料理に使われるかも変わっていきます。

・サイズについて
実は小さい唐辛子が一番辛いんです。アバネロや Chile de árbol (チレ・デ・アルボル)などは小さい唐辛子の一種です。唐辛子のサイズが小さいほど辛さが増すと考えたほうがいいでしょう。こういう小さな唐辛子は、主にサルサに使われることが多いです。料理のソースとしては、あまり使われていませんが、使われるときもあるのでご注意を。
    逆にサイズが大きくなるにつれてもっとパプリカの味に似たりします。Chile poblano(チレ・ポブラーノ) とかは見た目がパプリカに似ていて、この唐辛子はメキシコ独立記念日の料理、Chiles en nogada(チレス・エン・ノガダ)に使われたりします。Chile guajillo (チレ・グアヒージョ)も大きいほうで、これは料理のソースやブイヨンを作るときに使われます。

Chiles en nogada (チレス・エン・ノガダ)緑色のChile Poblano、クルミで出来た白いソース、赤いザクロは、メキシコの旗を代表しています。
(イメージ:El Universal, De a cómo el chile en nogada en CDMX)

・色(主な色:赤と青)
私もそうなんですけど、無意識に赤い唐辛子が一番辛いのかと思っていました。本当はどんな具材と料理されるかによって、メキシコでは唐辛子の色と同じ具材で調理するせいか青い(緑)唐辛子の方が辛いんです!
     赤い唐辛子は、トマトと調理されるのでトマトの甘さで辛さがあまりしないのです。一方で青いのは、青トマトと作られていたりするのでこの酸っぱさが辛さを増すんでしょうか、まぁ、そんな感じがするんですかね。これも、メキシコ人がレモンが大好きな理由の一つ、レモンの酸っぱさで辛さをグッと引き出そうとするんです。

タコスとかに付けて食べるサルサは、赤と緑のサルサが代表的です。
(イメージ:Salsa verde y roja, mundo de colores)これ、ユーチューブで見つけたサルサの本格的なレシピなんですけど、唐辛子に慣れていない方にはとても辛いので試さないでくださいね。

・乾燥
乾燥される唐辛子とそうされない唐辛子があります。乾燥された唐辛子は、ブイヨンを作る際に入れたり、すりつぶしてピュレにしたりしてソースを作られたりします。(乾燥されているので最初は水に入れたりしてちょっと柔らかくなってから調理をします)
     生の唐辛子はもちろんそのまま食べられますが、酢漬けにしたり、上のユーチューブのビデオのようにタテマード(Tatemado)といってフライパンに油なしで直接焼いたり、切ってそのまま使われたりします。このタテマードなんですけど、唐辛子は本来食べるためのものではないのでそのまま焼いたりすると毒を放つので、目が痛くなったり強烈な匂いがしたりするので、やってみたいなという人はタテマードの仕方をきちんと知っている人と作ってくださいね。

投稿写真はChile Mulato(チレ・ムラート)という唐辛子です、これもサイズが大きいほうなので辛さも控えめです。これをまずは少し焼いてから、molcajete(モルカヘーテ、火山岩のすり鉢)ですりつぶしているところです。

2.辛さ控えめ、唐辛子の味が好きな人へ(切り方にポイントが?)

「唐辛子を味わおう」と中々思う人がいないかなと思います。それに加えて、唐辛子の味というのはたまに辛さのせいで楽しめないときもあるので、唐辛子を上手に調理することは、唐辛子を毎日調理をしてる人でも非常に難しいことなのです。

それでも、唐辛子を使ってみたいという方、唐辛子の切り方をまずは知っておいたほうがいいと思います。はじめに注意すること、唐辛子を切っている最中に目、口、顔全体を絶対に触らないでください。それから、切った後は手洗いをちゃんとしてください。出来れば、唐辛子を調理するための包丁やまな板を用意してください。
     下図の唐辛子を見て頂けると、唐辛子の辛い部分というのは種とカプサイシン線(唐辛子の芯のようなもの)です。なので、辛さを控えめにしたかったらこの二つの部分を切り取ることがポイントです。

【ザカラ調べ】唐辛子にまつわる豆知識・あれこれ
「ザ・激辛日記」というページでこの図を見つけて、そこに東洋で使われる唐辛子についてもっと詳しく書かれているので興味があったら読んでみてください。

いかがでしたか?唐辛子が入っている料理にもっと挑んでみようと思っていただけたでしょうか?メキシコに来たら、是非大きい唐辛子が入った料理を試してみてください。また、大きい唐辛子の料理を紹介したいなと思います。


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