【雑記】セオリーはあるけれど、それが全てじゃないよね。と、常々思っているという、とりとめのない話し。
展示会はお休み中のNine Gallery 。
本日は作品の額装をしたり発送したりと作品をお嫁に出す作業を粛々と。
黙々と作業をしている中で、ポツリ、ポツリ、とある展示相談のお客様の来訪が嬉しい。
「この用紙とこの用紙は紙白がこれだけ違うから写真の見え方がこんな風に違うね」「このプリントにはこんなマットがいいね」「プリントのマッティングはどんな風にしましょうか」なんて。
たくさんの確認事項を一つずつクリアしながら展示にむかっていく工程はとってもワクワクする有意義な時間です。あぁ、楽しい。
写真展に作品を出すって、撮れば終わりじゃない。プリントすれば終わりじゃない。展示を見にきてくれる人を想像して、どんな風に見て欲しいかを考えて。
その展示はどういう意図の展示会なの?個展?グループ展?そこで何をどう表現したい?終了後の作品はどうする?そんなことまでヒアリングしながらディスカッションをしています。丸投げされないで、あーだこーだと、一緒に頭を悩ませます。
たまにこんな言葉を聞くこともある。
「プリントはこの用紙が最高級だからこれで」「額装はこの方式が一般的だと聞いたのでそれで」「普通はどれですか?」
でも。
セオリーはあるけれど、それが全てじゃないよね。
取捨選択。自分の作品を今できる最高の形で表現するためにはどういう取捨選択をすればいいのか。無数にある「やらなきゃいけないことリスト」に一つずつ、真剣に向き合っていく。
あ、これってちょっとブライダルパーティみたいですね。準備1年、披露は短期決戦。一世一代の大イベント、みたいな。
個展ともなれば費用も安価ではないので、場合によっては当然「予算限られている問題」にも遭遇します。表現を形にするにはそういったハードルがたくさん。それを一つずつクリアしていかなくてはならない。
そんな時は「こんな方法もあるよ」「こういう事例もあるよ」「本当にこれは最高級品でないとダメなの?」などと具体的にサンプルや画像を見ていただいて、ぼやっとしていたイメージを、もう少しだけ具現化するお手伝いをしています。
今できる限りの最善の形で発表して欲しい。関わった作家さんたちにはそんな思いで色んなご提案をさせていただいています。そんな時はギャラリーのマネージャーというより、コーディネーターのような気持ち。平気で他社の商品やサービスをお勧めすることも。とにかく作家さんが満足のいく提案をできたのならば、私たちはそれでもう大成功なのですから。
写真展はパッケージ化されていない面白さがあるので正解もないし、開催するたびに次回への課題が見つかるものですよね。
だからやりがいがあるし、中毒性もある。
展示をする人の数だけ選択肢があると思うからそれぞれの立場に立った、柔軟な提案をしたい。そのために、たくさんの知識を身に付けたいな。いつも柔軟な自分でいたいな。
と、日々思っている
そんなとりとめもない話し。
ではまた。