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ロンドン滞在記③ 自分への手紙

ロンドン滞在中に、絶対にやると決めていたことがある。
それは「行きたかった場所で、ここでしか買えない気に入ったメッセージカードに、自分宛ての手紙を書く」ということです。


手紙を書く機会なんてほとんどありません。
家族にクリスマスカードを送るくらいかな。
クリスマスカードを「手紙」と言っていいのか分からないけれど。
そんな私が自分宛ての手紙を書くことは、「初めての一人海外旅行で、しかもずっと来たかったロンドンに、今、居るのだ」という興奮を文字に残すことで、未来の私に向けた叱咤激励になると思ったから。


悩みすぎて力尽きて結局何もしないまま終了、なんてことが多い私がロンドンに行くと決めたのは、ほとんど衝動でした。
事務職という職種柄どうしても窮屈感と閉塞感が否めず、気持ち的に息苦しささえ感じ始め、閉塞感を打破するのには一旦場所を変えないとダメだと。
そう思い込んだら早かった。
ーどうせ行くなら海外がいい。
ー美術館や博物館が身近にあって、コンパクトな街がいい。
海外旅行は15年ぶりくらいだし、一人海外は初めての経験。
けれど、怖いという感覚よりも、行くなら今しかないっていう妙な危機感と使命感があったんですよね。
その勢いのまま、ロンドンを観光することができた。
「チャレンジしたら、ロンドンでやりたかったことが全部出来たよ。だからこれからも大丈夫、もっと楽しめるよ」みたいな。
このメッセージカードが、どうせ悩み疲れるだろう未来の自分にチャレンジ精神を思い出させる媒体になればいいなという期待を込めて。

正直なところ、メッセージの内容はなんでもいいんです。
私が重要視したのは、使用するレターセットやメッセージカードを現地で買うこと。
お店に入ってお気に入りを見つけ、購入する。
海外という慣れない場所だと、購入するという一連の行為自体が私にとって大きなチャレンジ。
購入したお店の雰囲気、ちゃんと支払いが出来るのかという緊張感。
たった一枚のカードに、その思い出も付加されました。

FORTNUM & MASONで購入したカード


購入したカードをモレスキンノートに挟んで持ち歩き、大英図書館のカフェで書くことに決めました。
能率手帳(ロンドン行きを決めてから再び使い始めた)に訪れた場所とこれから行きたい場所を書き込んでから、今のうちに書いちゃおう、みたいな軽いノリで。
書き始めは緊張して手が震えたけれど、なんとか書き終える。
そして書いた日付と場所は忘れずに記載。
幸いなことに付属の封筒には糊が付いていたので、糊に水を付けてしっかり封をする。
宛先は、誕生日を迎える自分へ。

現在、そのカードは来年の能率手帳の箱に仕舞っています。
自分に手紙を書くのは恥ずかしいけれど、タイムカプセルみたいで楽しかった。
メッセージのやり取りはデジタル媒体が主流な今、あえて旅先で手紙を書くというのも非日常感があって素敵な時間を過ごせるのでおすすめです。


ここまでお読みいただきありがとうございました。
みなさま、良い時間をお過ごしくださいませ。

Izumi

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