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4枚の羽


今年は閏年ではなく、2月は28日までですね。
ちょっと損した気持ちになりますし…不思議な気持ちにも。
2月だけ2〜3日も少ないですから。

閏年というのは4年に一度。

オリンピックも。

椅子の足は4本。車のタイヤも4本。

方角の『四方』や季節の『四季』なども。

火風水土の四元素。

4という数字は、バランスがとれているとか自然のリズムを表しているように思います。


4wings
2010
紙に水彩
380×280

©2010  Izumi YAGI



この絵は4枚の羽をテーマにしています。
蝶々には羽が4枚。

飛ぶための羽が、4枚バランス良く。

4枚の羽は絵に描く時も正方形とか円に近い形となり、モチーフとして使いやすいのです。

この絵では下降する姿ですが、蝶々は下降してもすぐ上昇したり、自由自在に飛んでいるように見えます。




青の印象

そしてこの蝶の羽は鮮やかな青にしました。

青という色に、どんな事を思い浮かべるでしょう…?


キリスト教圏では、ブルーは聖母マリアの色として広く認識されていると思います。

清らかさや誠実、純潔を表していて、聖母マリアを描く時はウルトラマリンを使うのが定番だったようです。

静かで
落ち着く色ですね。




緑なのか青なのか

日本では、緑のことを「あお」と呼ぶような感覚がありますよね。
青信号は実際は緑ですし…

あおあおとした、というのは自然の緑を形容する言葉です。

最近の男の子の名前の一位は「あおい」君で、字は「碧」が一番多いのだとか。
この字は深い青や青緑を表していて、ここでも青なのか緑なのか?という気がしてきますね。


日本での青は藍が馴染み深いかもしれません。

藍は昔、お米が取れないような痩せた土地に栽培されていたようで、徳島県や埼玉県で作られていたそうです。

少しの藍を作るために、広い面積の作付けが必要で採算が合わず…徐々に作らなくなっていったとか。

その後は中国などから輸入していたけれど、中国でも作らなくなってきているらしく、現在、染料としての天然藍はほぼ皆無に等しいそう。

それでもこの深い青は様々な所…生地や食器などに使われていて、人が親しむ色であることがわかります。

確かさと不確かさ

話が逸れましたが、『4wings』では、質感がやわらかな青を目指しました。

本物の蝶の羽は、張りがあり硬そうですが、この絵では少しふにゃっとビロードのような…それでいて透明感があるように描きました。

現実感があまり無く、夢のごとく空気を含んで舞う優雅さ。
どちらに向かうのかよく分からない飛び方。

法則を無視したように、自由自在に飛ぶ姿…見ていると異次元を感じますし、不確かと確かを合わせ持つ、神秘的な強さを思うのですよね。

現実と思いこんでいる事の不確かさとか、自然の摂理の確かさとか…そんな事を。




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