『きれいのくに』2021年 春ドラマ
ネット上では賛否両論というか「なんのこっちゃかわからない」という声が多かったらしいこのドラマ。たしかに摩訶不思議なドラマだった。
私自身わりと世界観に入って見れていたのは、副音声の音声解説にして見ていたからかも。
「若くなっている恵理」「街に歩いているトレンディ顔の男」
とか、画面を見ているだけだとスルーしてしまいそうな変化や気付きを音声解説で教えてもらったおかげで「あー!そういうことか!」って理解してストーリーを追っていっていた。
それがいいのか悪いのか問題はあるけど、それぐらい実験的なドラマだったということだと思う。
ストーリーは「若くなっていく恵理のお話(A)」「ほとんどの大人が“同じ顔”をした世界の高校生の群像劇(B)」の2編構成。
前半のAのターンは、結婚・離婚・再婚、出産、20代〜40代の女性のあれこれの思いと葛藤をすごくうまく表現していたなぁって思った。
美容師の恵理役の40代の吉田羊と30代を蓮佛美沙子。とにかく蓮佛美沙子の吉田羊みがやばかった。なにあれすごかった。
というか、同時期にテレ東でやってた「理想のオトコ」で、主演の蓮佛美沙子が美容師で「お、おぅ...」ってなったのは私だけじゃないよね。
Bパターンでは稲垣吾郎ちゃんがありとあらゆる割とキツめの役をそれぞれ演じていて、それぞれのヤバさ加減がいい感じだった。まじやばかった。これがドラマ全体の不気味さを引き出していたと思う。
ほとんどは、高校3年生5人の群像劇。高校生の性の関わりや思いなど、かなり攻めた内容で、NHKだからできたんだろうな、って思った。
高校生5人の会話や、よそよそしい空気感とかリアルな感じがしてこの重さがより全体のヤバさがすごかった。
5人それぞれの思いや考え感覚は、それぞれに感情移入して理解できたというか。なんだろこれ。
このドラマをみてどう思ったか、とかそういう思いや感想などはまったく思い浮かばず、とにかく「みたことのない世界線をのぞいた」感でいっぱいだった。
個人的にはこのドラマを見ることができよかったって思った。