私がお花を通して実現したいこと
最重度知的障がいの娘を授かり、無我夢中で子育てをしてきました。
日常生活もいわゆる「普通」とはかけ離れた日々の中、ただ毎日を乗り切ることだけに時間を費やしてきた気がします。
そんな娘も健康的に安定し、信頼できるサポートにも恵まれ、息子が小学生になったのを機に私も少しずつ社会復帰していきました。
訪れたコロナ禍、学校も休校になり、仕事も長期でお休みすることになってしまいました。
世界が何とも言えない不安に包まれる中、気分転換に時々出かける近所への散歩。
季節の花だけはいつもと同じように咲き、その生命力に本当に癒されました。
半年後の仕事復帰。戻ったのは今まで全く経験したことのないフラワーディスプレイの仕事でした。
初めてのフラワーアートに私は夢中になりました。
自宅での練習に始めたドライフラワーづくり。
いかに美しい状態で乾燥させるか試行錯誤するのも楽しく、実験のようでもありました。
ふとこの作業は娘のように障がいを持つ方にも取り組みやすいのではないか?
お花から受け取れる癒しやパワーも、きっと役に立つはずだ!と、何とか福祉事業者で活動していきたいと悩む日々でした。
そんな中、廃棄予定のお花をドライフラワーアートとしてアップサイクルし、空間装飾を行っている(株)RINと河島春香さんの活動を知りました。
私の今までのお花活動の全てがつながり、2021年フラワーサイクルスクール(現フラワーキャリアアカデミー)を受講し、フラワーサイクリストとしての活動をはじめることになりました。
私は実は?不器用で裁縫は苦手です。
フラワーディスプレイのお仕事でもよーく怒られてます(笑)
そんな私ですが、初めてお花を使った作品づくりをした時は、楽しくて楽しくて仕方なかったのです。
出来上がっていく過程に癒される上に、ただお花に集中する時間の幸せ。
気付けばいつもいつもお花のことを考えていました。
けれど、作家というのは何か自分でもしっくり来なかったのです。
私のしたいことは、まずは私と同じように障がいを持つ子のママやご本人に、この楽しさを同じように経験したり、体験したりしてほしいということでした。
とても有難いことに、思い描いていた
「福祉事業所で障がいのある方と一緒にドライフラワーをつくる」
というお仕事をはじめることができることになり、事業所さんからの
「ボタニカルキャンドルを作りたい」
という希望にも沿えるよう、私も1からキャンドルを学び、事業所にてお花を使用したキャンドルの講師もするようになりました。
使用するお花は、規格外のものをネットで購入したり、事業所で花苗から育てたものです。
ボランティアさんもすっかりハマってくださり、今ではご自分でドライフラワーを作ってきてくださるまでに!
こうしてお花を通して、
「新しい楽しさを発見した」
と言っていただけることが本当にうれしく、やりがいでもあります。
事業所の仕事と並行して、お花を使用したワークショップの講師もできるようになってきました。
今は障がいのある方も、そうではない方にも。
こどもたちにも。
お花のように、多様な方へ。
身近にお花のある暮らしや、ものづくりの楽しさを、スモールステップでも伝えていきたい。
これが、今現在の私の夢でもあり、目標でもあります。