映画「スター・ウォーズ/クローン・ウォーズ」を復習
ドラマシリーズ「アソーカ」が楽しみすぎるので、2008年公開のデイブ・フィローニ監督作品「スター・ウォーズ/クローン・ウォーズ」を再視聴しました。
結末までタイムラインをまるごと載せていますので、未視聴の方はご注意下さい。※記事の内容を一部追加修正しました。(23-5-25)
本作は2005年の『エピソード3シスの復讐』公開から3年後、『エピソード2』と『エピソード3』の間で繰り広げられた「クローン戦争」の出来事を描く作品として続くアニメシリーズに先駆けて劇場公開されました。監督はこのあと多くのスター・ウォーズ関連作品を監督・製作するデイブ・フィローニです。原作者のジョージ・ルーカスはプロデューサーを務めています。
最新の映像作品『マンダロリアン』でも重要な役割を担い、単独ドラマシリーズが企画進行中となっているジェダイのアソーカが初登場した作品です。アナキンのパダワン(弟子)となる経緯と二人の最初のミッションが描かれます。
アソーカ・タノ
トグルータという種族の少女です。「もののけ姫」のサンがそのモデルの一つとデザインを手掛けたデイブ・フィローニがコメントしています。
このアソーカというキャラクターは、この映画での初出の時点からシリーズでの活躍を振り返ってみても行動や性格、陥る状況にアナキンに似たところがあり、個人的に「暗黒面に堕ちなかったら」という彼のもしもの形でもあるように思えます。
熱烈なルーカスSWファンで映画ライターの高橋ヨシキさんも次の点をよく指摘されていますが、アソーカはやがてアナキンとは心を許しあう無二の友となります。そこまで重要な存在になるとは映画が公開された当時は想像していませんでした。
「クローン・ウォーズ」に続き彼女が登場した「反乱者たち」では反乱者と帝国軍との戦いにおいて更にその存在の重要度が増しており、ドラマに向けてこれまでの活躍も改めて見直して配信に備えることをお薦めします。
映画「SW/クローン・ウォーズ」のタイムライン
映画のあらすじです。アナキンはジャバ・ザ・ハットの子供の誘拐事件解決を評議会から命じられます。クローン戦争では銀河の戦略的要所を共和国と分離主義者(独立星系連合)が奪い合いますが、誘拐事件の裏にはジャバの縄張りに関わる協定を巡る陰謀が。「テスの戦い」では崖を垂直移動しながらのタテ方向の戦闘が描かれ、大きな見所になっています。
この映画で描かれる事件の続きはシーズン3の7話以降で更に展開します。
エンドクレジットには既にプロダクションI.G.の竹内敦史さんのお名前があり、シリーズ作品も同時進行で制作が進んでいた事がうかがわれます。
本作で初登場となる「ニュー級アタック・シャトル」はコンセプトアートを見る限りはそれが氏のデザインであり、映画にも登場したことでお名前がクレジットされているのではないかと推測します。竹内敦史さんの起用は本当に間違い無いと今も昔も思います。スター・ウォーズに関わる日本人レジェンドクリエイターの一人であり私も大ファンです。
「バッド・バッチ」で活躍する「オミクロン級アタック・シャトル(ハヴォック・マローダー)」にはそれがニュー級の後継機を思わせるようなデザインの名残があり11話「ライロスからのSOS」では両機の共演もあって感慨深いものがありました。
映画の前日譚
アニメシリーズのシーズン1とシーズン2のこれらのエピソードはそれぞれ映画の序盤で展開する「クリストフシスの戦い」に関連するエピソードです。映画の直前に起きた出来事で映画のストーリーに直接的な繋がりはありませんが、時系列を往来するのも「スター・ウォーズ」の面白いところです。
『封鎖線を突破せよ』は「U・ボート」や「眼下の敵」を想起させる宇宙での潜水艦バトル。「2001年宇宙の旅」のディスカバリー号に似たデザインのコルベットもユニークです。
『内なる敵』はクローンの「裏切り」と「自由意志」をテーマにコーディとレックスがバディを組んで危機に立ち向かいます。
私が初めて「スター・ウォーズ/クローン・ウォーズ」見た当時は、ひとまずの完結を向かえたスター・ウォーズに対する喪失感や、まだ咀嚼できていなかったプリクエルに対する悶々とした感情であったり、後付け的な新キャラクターであるところのアソーカに対する認めがたい気持ちと、何より人形劇ライクなCGに対する抵抗も正直あったので素直に観れなかったなぁと思い返しました。
今回「マンダロリアン」や「クローン・ウォーズ ファイナルシーズン」「バッドバッチ」を経て、改めて観てみたら驚きや発見、感動が多くありました。
何はともあれ、ますます「アソーカ」への期待が高まります。