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大河ドラマ感想【べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜 第1話「ありがた山の寒がらす」】

 2025年の大河ドラマが始まりました!
今年の大河主役は、江戸のメディア王である「蔦屋重三郎」通称「蔦重」です。
つっても、大半の人が知らないでしょうね、私は知ってましたけど。

 去年の大河「光る君へ」が退屈だったので、今年の大河には期待したいところです。
時代も江戸時代と私の好きな時代ですしね。
江戸中期の時代を大河で描くのははじめてなんだとか。

 今後、蔦重がどう江戸のメディア王にのし上がっていくのか、見どころですね。

・舞台は吉原

 のっけから、大火事のシーンからの始まりですね。なかなかの迫力です。
「火事と喧嘩は江戸の華」と言われるように、江戸の大火はしょっちゅうでした。
時は1772年(明和九年)、舞台は江戸の吉原です。
明和九年はいろいろ災害やらなんやらあって、めいわくな年だった時ですね。
この時代は、金次第の時代で、「金を稼ぎたい」とか「楽したい」とか「たい」尽くしの時代。あれ? なんか、現代と似てませんか?
江戸幕府の将軍は「徳川家治」、老中は後世まで悪し様に言われ続けた「田沼意次」です。
最近、見直されている意次ですが、今回の大河ではどう描かれるのか。

 さて、江戸の大火事は吉原にまで類焼してしまいます。
蔦重は、半鐘を鳴らし遊女たちに早く逃げるよう促します。
大火事のなか、逃げ遅れた遊女と子供とお稲荷さんを助けました。
当時の人は信心深いので、「稲荷信仰」とかあったんですよ。
しかし、大火事で吉原は焼け、客もこなくなってしまいました・・・。

・慕っていた人の死、そして蔦重の過去

 蔦重は実は拾われ子で、女郎屋の主人の一人「駿河屋市右衛門」が育ての親でした。
顔つきからしてキツそうな人ですね・・・。
蔦中は、大火事から助け出した子を小僧にして、「唐丸」と名付けます。
そして、女郎屋の仕事の合間に、やる気のない義兄の「市兵衛」が営んでいる貸本屋「蔦屋」を手伝っています。

 この時代は、本は高価なので金持ちしか買えず、一般庶民は貸本屋にお金を払って本を借りて読んでいました。
蔦重は貸本屋として、吉原の遊女たちに本を貸しにいき、面白そうな本をいろいろとオススメしたり。貸本をダメにされたのに開き直られるなんてこともあったり。
後の本業となる仕事は、このころ片手間にやっていることで、主体は女郎屋の仕事だったんですね。

 蔦重には姉さんと呼んで慕っている遊女がいました。
その名は「朝顔」という人です。しかし、朝顔は病に冒されて寝込んでいました。
やがて、朝顔は亡くなってしまいました・・・。
売るために着物まで剥ぎ取られて、裸で埋められるという有様。
人として扱われてないな・・・これが吉原の闇か。

 そして、明かされる蔦重の過去。
蔦重は幼い頃両親に捨てられて駿河屋に拾われ、吉原の女郎屋で働くことになったそう。
親がいたばっかりに、他の拾われ子からいじめられていた。
そんなときに、寄り添ってくれたのがやさしい朝顔姉さんだった。
朝顔は、やさしいから客も取れずろくに食うこともできずに死んでしまった・・・。
慕っていた人の死に涙する蔦重。

・田沼意次との出会い

 蔦重は女郎屋の主人たちに、遊女たちの待遇を改めるよう訴えにいきます。
女郎屋の主人達は「忘八」と呼ばれ、遊女から絞り取った金で贅沢三昧していました。こいつら・・・。
懸命に訴える蔦重でしたが、けんもほろろに相手にされません。
大文字屋なんかは、「女郎なんか死んでくれたほうが、女が入れ替わってくれていい」みたいなことを言い出す始末。この人でなしめ!
なおも訴える蔦重でしたが、駿河屋につまみだされてしまいました。

 あきらめきれない蔦重は奉行所に訴えますが、ここでも相手にされず・・・。
そんなときに、出会った謎の男が老中の「田沼意次」の名前を挙げます。
蔦重はダメ元で意次に会いにいってみることに、おいおいマジか。
意次に会いにきた、吉原の馴染客の主人の荷物持ちとして、田沼屋敷に入ることに成功。
この手があったか。

意次さんはしっかりと賄賂はいただいてましたね。懐に収めるのか、それとも国のために使うのか。
主人の要件終わった後、蔦中が訴えます。聞いてくれる意次でした。
「岡場所を取り締まってほしい」と言うと、宿場町が廃れるからできないと言われてしまいます。
吉原のためだけに便宜を図ることはできない、と。最もなことだ。

 そして、意次は「おまえは、吉原に客を呼ぶ工夫をしているのか?」と問いただします。
その言葉にハッと目が覚めた蔦中でした。
「ありがた山の寒がらすです!」とダジャレでお礼を言うのでした。

・蔦中、切り札を思いつく

 吉原に帰ると女郎屋の主人達が勢揃いして待ち構えていました。
奉行所に訴えたことがバレてお怒りになっていたのでした。
さらに、蔦重が「老中の田沼様に会った」と口をすべらせてしまい、火に油を注ぐことに。
キレた駿河屋に「このべらぼうめ!」と思い切りぶん殴られ、ボコボコにされてしまいます、ひでえ・・・。
さらに、デカい桶の中に閉じこめられてしまいました、さらにひでえ!

 三日三晩、桶の中で吉原に客を呼ぶ工夫を考える蔦重。
そして・・・ついに思いつきました!
桶から出されて、手に取ったのは「吉原細見」という本でした。
この本でどうやって吉原に客を呼ぶのか、そして吉原細見とはどんな本なのか。

 今回、1時間の拡大版でしたが、結構おもしろいと思いました。
駿河屋にアゴで使われている蔦重が、江戸のメディア王にまでのし上がるところ見てみたいです。
吉原というところを詳しく描いた時代劇はこれがはじめてではないでしょうか。
NHKさんもタブーとされるところを描くことに挑戦しましたね。
あと、長谷川平蔵こと鬼平がでてきました。どう蔦重と絡んでくるのか。

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諸葛鳳雛@真・歴史探偵
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