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世界一の金融王ロスチャイルド家について

 みなさんは「ロスチャイルド家」という一族について知っていますか?
おそらく、「誰やねんそれ!」と言って知らないと思います。
以前、記事に書いた「ロックフェラー家」と比べられるすごい一族なのです。


 ロックフェラー家よりも歴史があり力のある一族です。
ユダヤ系の一族で、銀行業を中心に国際的な巨大な財閥を築いています。
ですが、ロックフェラー家同様になぜかメディアに全然でてきません。
そのあまりの財力故に、陰謀論にも取り上げられる一族ですね。
ロイヤル・ダッチ・シェル」とか「ネスレ」とか「デビアス」といった有名な企業もロスチャイルド系の企業です。

 では、そのロスチャイルド家について紹介したいと思います。



・ロスチャイルド家の祖、マイヤー・アムシェル・ロスチャイルド


 ロスチャイルド家もロックフェラー家と同じように最初は貧乏でした。
ロスチャイルド家の祖は、「マイヤー・アムシェル・ロスチャイルド(ロートシルト)」という人です。
ドイツのフランクフルトで古銭商・両替商として身を起こし、ヘッセン=カッセル方伯家の御用商人になり、やがて銀行業を興し成功を収めました。
ちなみにロスチャイルド(ロートシルト)とは「赤い盾」という意味だそうです。

 マイヤーの5人の息子たちがヨーロッパ各地に広がり、国際的な金融ネットワークを築きました。
5人の息子たちとは、「アムシェル」、「サロモン」、「ネイサン」、「カール」、「ジェームズ」の5人です。
この5人を「フランクフルト」、「ウィーン」、「ロンドン」、「ナポリ」、「パリ」に送りこんで店を開かせます。

 ロスチャイルド家の紋章には、5本の矢を握った手が描かれており、これは家祖の5人の息子たちの結束を象徴しています。
また、ロスチャイルド家の家訓「調和、誠実、勤勉」も紋章に刻まれています。

ロスチャイルド家の資産については正確な数字は公表されていません。
1940年時点での資産は、約5000億ドル(!)と推定され、当時の全世界の富の半分を支配し、アメリカの全資産の2倍を有していたといわれています、本当か・・・?

 

・ロンドン・ロスチャイルド家の祖、ネイサン・ロスチャイルドの「逆買い(売り)」


 5人の息子たちのなかでも目覚ましい活躍を見せたのが、ロンドン・ロスチャイルド家の祖である「ネイサン・ロスチャイルド」です。
特に有名なのがネイサンの「逆買い(売り)」と呼ばれる手法です。

 ネイサンは、1815年の「ワーテルローの戦い」で、イギリス軍勝利の情報を誰よりも早く入手していました。
それを利用して、まずイギリス国債を大量に売りに出します。
何も知らない投資家たちは、イギリス軍が敗北したと思いこみ、慌ててイギリス国債を売りに出します。
ネイサンは、イギリス国債が底値になったところで買い直します。
すると、ナポレオンのフランス軍敗北の知らせが届き、フランス国債は暴落してイギリス国債が暴騰します。
この超ズルい手法でネイサンは巨万の富を得ることとなり、やがて「世界一の金融王」となります。

 情報を武器にかなり卑劣なことをやって、大資産を築いたネイサンでした。
ナポレオンが負けて底値のイギリス国債が暴騰しているとき、ネイサンは笑いが止まらなかったでしょう。
イギリス国債を売りに出した人たちは唖然呆然としていたんでしょうね。

この出来事で多くの投資家と多くの名門家系が破産しました、さぞやネイサンを恨んだことでしょう。
ネイサンは約100万ポンドの利益を得、ロスチャイルド家の財産は2500倍(!)に膨れ上がったといわれています。

 

・ロスチャイルド家と日本との関係


 ロスチャイルド家と日本の関わりは、幕末まで遡ります。
パリのロスチャイルド家のジェームズは徳川幕府を支援し、ロンドンのロスチャイルド家のライオネルは薩長を支援しました。
つまり、幕末の戊辰戦争はロスチャイルド家同士の代理戦争だったというわけです。

 それから、長崎に拠点を構えていた有名な幕末の武器商人「トーマス・グラバー」。
こいつのグラバー商会は、ロスチャイルド系の会社(ジャーディン・マセソン商会)の支部だったと聞いたことがあります。
ロスチャイルドの部下が龍馬とかに武器を売って手助けしていたわけです。
グラバーは、幕末の日本に大規模な内戦を起こして一儲けしようと企んでいたしょうもないやつにすぎません。
維新後、グラバー商会は破産しましたが、岩崎弥太郎に拾われて三菱の顧問やってますね。

また、ロスチャイルド家は、明治以降の日本に対して影響力を持てるよう、伊藤博文と井上馨を育て、以降は榎本武揚、高橋是清、原敬を育てたそうです。
三井家はロスチャイルド家と組んで日本の大財閥となり、日本の金融を動かすようになりました。

そして、1904年の日露戦争では、ロスチャイルド家のアメリカにおける大番頭だった「ジェイコブ・シフ」が、日本に1000万ポンドの資金提供をしています。
このジェイコブ・シフという人は教科書にもでてきますが、ロスチャイルド家の配下だったのです。
ちなみに、日本はその後、借りたお金を踏み倒したりせず律儀に返済しました。
ですから、日露戦争で一番儲けたのはロスチャイルド家だったと言われています。

 また、ウソかホントか渋沢栄一さんが日本銀行の元となった第一銀行を作ったのは、パリのロスチャイルド家2代目当主のアルフォンソに目をかけられていたからとも言われています。
たしかに、フランスで栄一さんと懇意にしていた銀行家のフリュリ・エラールという人はアルフォンソと繋がりがあったと聞いたことはありますが。

 現在では、ロスチャイルド家の投資銀行「ロスチャイルド&カンパニー」が、日本にも拠点を持ち、企業のM&Aや資産運用のアドバイスを行っているそうです。

 

・ロスチャイルド家の成功の要因


 ・情報の早期取得と活用

 ロスチャイルド家は、ヨーロッパ各地に広がるネットワーク(伝書バトなど)を活用して、重要な情報をいち早く入手し、それを基に先見的な投資判断を行いました。
ネイサンの超ズルい「逆買い(売り)」は代表される話です。

 ・リスク管理と分散投資

 ロスチャイルド家は、各国に分散して銀行を設立することで、リスクを分散しました。
これにより、ある国での経済危機が他の国に影響を及ぼすことを防ぐことになりました。
また、金や貴金属といった資産にも投資し、財産の保全を図りました。
事業の多角化経営ですね。

・強固な人脈と信頼関係

 時の政府や貴族との強固な関係を築くことで、国際的な政治情勢にも影響を及ぼし、自らの金融活動を有利に進めることができました。
いつの時代も権力者の後ろ盾を得ることは大事ってことですか。

・戦略的な思考と先見性

 ロスチャイルド家は、単なる金融取引だけでなく、戦略的な思考と先見性を持って事業を展開しました。これにより、長期的な成功を収めることができました。
事業の多角化と先見性によって行なわれる事業・・・最強じゃないですか。

 

・現在のロスチャイルド家


 現在のロスチャイルド家がどうなっているかを紹介します。

第二次世界大戦を経て、ロスチャイルド家は大きく力を落としました。5つあった家はロンドンとパリの2つだけになってしまい、財産の多くを売却することになってしまいました。
事業も大幅に縮小し、2003年にはロンドン家とパリ家が運営していた2つの銀行が統合され「ロスチャイルド・コンティニュエーション・ホールディングス」が創設されました。

 ロスチャイルド家の現在の当主は、ロンドン家当主の「ジェイコブ・ロスチャイルド」という人です。
・・・と思ったら、この人今年亡くなってました。享年87歳。
ディヴィッド・ロックフェラーみたいに101歳まで生きるのかと思ってましたよ(ぉ)
現在のロスチャイルド家の当主はジェイコブの長男「ナサニエル・ロスチャイルド」という人だそうです。
ちなみのこの人パリス・ヒルトンと浮名を流したそうです。

 パリ家の現在のロスチャイルド家の当主は「ダヴィド・ロスチャイルド(ロチルド)」という人です。
ロスチャイルド・コンティニュエーション・ホールディングスの頭取をはじめ、ダイヤモンドで有名な「デビアス」の監査役役員や、「世界ユダヤ人会議」理事長を務めてますね。
銀行業だけでなく、様々な慈善活動にも関わっているそうです。

 ロスチャイルド家にはもう一つパリ分家というのがスイスにあったようです。
ベンジャミン・ロスチャイルド」という人が当主を務めていたのですが、2021年に急死されたそうです。
そして、ベンジャミンという人には男子の跡取りがいないんだとか。
ロスチャイルド家の家訓では今でも事業に携われるのは「男性のみ」なのだそうです。
なので、パリ分家が今後どうなるのかわかりません。
断絶・・・ということになるのかも。
ただ、調べたら妻のアリアンヌという人がグループの事業を引き継いでいるのだとか。

・ロスチャイルド家の家訓


 最後にロスチャイルド家の家訓を紹介しておきましょう。

・ロスチャイルド銀行の役員は一族で占めること

・事業への参加は男子相続人のみとすること

・一族に過半数の反対がない限り宗家も分家も長男が継ぐこと

・婚姻はロスチャイルド一族内で行うこと

・事業内容の秘密を厳守すること

 事業への女性参加禁止、なんか時代錯誤のような気が
そして、婚姻は一族内で、ってハプスブルグ家みたいですね(汗)
奇形児ばっかできてしまいますよ。

衰えたとはいえ、今も隠然たる力を持つロスチャイルド家。
ロックフェラー家以上に華麗なる一族でした。
そういえば、ロスチャイルド家は同じユダヤ系の「ゴールドシュミット家」という名門の家と親戚関係とか聞いたことがあります。

・まとめ


・ロスチャイルド家は陰謀論にも挙げられるほどの力をもったユダヤ系の一  族です。
銀行業を中心に国際的な巨大財閥を形成しています。

・ロスチャイルド家の祖はマイヤー・アムシェル・ロスチャイルドです。
古銭商と両替商を営んでいたマイヤーはヘッセン方伯爵の御用商人になり     
成功を収めました。

・マイヤーは5人の息子たちをヨーロッパ各地に送りこんでビジネスをさせました。
特に有名なのがロンドン家の祖ネイサン・ロスチャイルドです。
ネイサンはワーテルローの戦いの時、「逆買い(売り)」というかなり卑劣な手を使って巨万の富を得ました。

・ロスチャイルド家は日本と密接な繋がりがあり、明治期に数々の有名人や財閥を育てました。
また、日露戦争では資金援助をして日本を助けました。

・ロスチャイルド家の成功の要因は、情報を武器にしていたことでした。
また、事業を多角化し、長期的な思索を持っていたことも要因でした。

・現在のロスチャイルド家は当主のジェイコブが今年亡くなってしまいました。
この人の死が今後ロスチャイルド家にどういった影響を与えるのか。

・ロスチャイルド家の家訓は女性の事業参加禁止や婚姻は一族内で行なうといったものです。

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