英語は簡単じゃなくて当たり前!
かたい話が続いたので、今日は少し柔らかい話です。
最近あまり耳にしませんが、3代続けて東京に住んでいる人のことを「江戸っ子」と言いますよね。
江戸っ子は、しゃべると「ひ」と「し」がゴチゴチャになるのが特徴で、
子どもの頃はからかいの対象になりました。
例えば江戸っ子に「百円持って朝日新聞を買いに行く」と言わせると、
「シャク円持ってアサシヒンブンを買いに行く」となっちゃたりする。
また、江戸っ子は「おごる」というときに「おもる」になるので、
これも面白がったことがある。
いずれも他愛のない子どもの頃の話です。
これは、方言は田舎だけじゃなくて東京にもあるという話ですが、
実はロンドンにもあるんです。
この方言(なまり)はコクニーと言いますが、Aが「アイ」に聞こえます。
私がロンドンの駐在員になったばかりの頃、
イギリス人の同僚に「アイアイに入ったか?」と聞かれたことがあります。
「アイアイって何のこと?」と聞き返した直後に「AA」のことだな、
と気がついた。
AAとはAutomobile Associationのことで、日本のJAFみたいなものです。
そこで「あー、AAのことか! 入ったよ」と返事をしたら、
彼は「だから、アイアイと言っているじゃないか!」と不機嫌そうだった。
こんなのは笑い話のようなものですが、
このコクニーを日本人が真似してもなかなか通じない。
あるとき、日本人駐在員が数人で昼飯を食べにレストランに入ったとき、
その中の一人が「今日は、俺がコクニーで注文してみるからな」と言って、
コクニーを真似て注文しようとしたら、全然通じなかった。
結構難しいんです。
後年、オーストラリアのパースに家族で旅行して、空港でレンタカーを借りようとしたら、窓口の女性の英語がコクニーだった。
パースでは、その後もコクニーで喋るオーストラリア人が結構いたけど、
ロンドンのなまりを普通にしゃべる人が多いのは意外でした。
英語と一口に言っても、英語と米語はもちろん違う。
言い回しも違うし、単語の意味が違うこともある。
私も詳しくは知らないが、アメリカは広いから方言も多いだろう。
日本の学校の英語教育には問題も多いと思うし、
それが日本中に英会話スクールが大小数えきれない位ある理由だと思う。
しかし、習う人にとっては、英語はやっぱり簡単じゃありません。