イタリアの結婚式に和服で参列したらどうなったか?
大分前のことですが、イタリアの取引先の人(ビジネスフレンド)から「結婚式をやるから、式に出席してくれ」と言われました。
当時は、イタリアに年に数回出張していたので、日程を合わせて参列すると答えました。
そして、ついでに、どうせなら和服で参列してみようと思いつきました。
彼は、私のアイデアを聞いて「是非、そうしてくれ」と言います。
ただ羽織と袴を着るとすると、袴を履くのが難しい。
当時は母親が健在だったので、それは母親に教わることにしました。
一人で出張するので、履き方が分からなくなったら困ります。
なので、出張する2週間くらい前から、帰宅途中に両親の家に立ち寄り練習しました。
袴を着用する練習も終わり、いよいよイタリアに出張しました。
結婚式当日の朝、ホテルの部屋で着替えてからホテルをチェックアウト。
教会に行きました。
入り口には参列者が群がっており、知っている人を見つけて談笑していると、周囲の人たちにジロジロ見られました。
教会での式が終わって、近くのレストランでパーティが行われました。
レストランの入り口で花婿・花嫁と談笑していると、なぜか、次々に私に挨拶に来る人が現れました。
次々に紹介されて名前を言われるけど、とても覚えられない。
中には写真を撮らせてくれという人がいて、花嫁・花婿と3人で撮ったり、
一人で撮らせてくれと言われたり、まるで芸能人みたいでした。
もちろんサケも出ましたが、あまり飲まなかったら、
私のことを知っている人から「いつも飲んでいるのに、何で飲まない?」と不思議そうな顔をされた。
「袴をはいているとオシッコするのが大変なんだ」というとゲラゲラ笑われました。
というようなわけで、無事にすべてが終わったんですが、まるで芸能人並みにモテたんです。
女性の和装は日本食レストランでも従業員が着ているから、そんなに珍しくない。しかし、男性の和装はイタリア人には珍しいんでしょう。
イタリアでは日本の時代劇映画なんて滅多に上映されないから、
男性の和装は見る機会もないんでしょうね。
注目されるとは思っていたけど、ここまでとは思わなかった。
こんなに注目された根本的な理由は、日本の文化が独特なものだということだと思う。ヨーロッパの文化とはぜんぜん違う。
ここが良いんです。
しかし、いくら珍しくても洗練されていないと、ここまで注目はされない。イタリア人はデザインにうるさい国民ですし、
和服が洗練されているからこその反応だったと思います。
日本は、和服に限らず、世界の人が良さを認める文化をもっています。
世界に注目される独特の文化の国なので、誇りをもちたいと思います。
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