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処世術・漢字と日本国

私はクレジットカードやパスポートのサインには日本語、つまり漢字を使っています。
外国人で漢字を書ける人は少ないから、外国でクレジットカードを使うことのある人は、漢字でサインしておくほうが安心なんです。

以前ミラノに出張した時に、アルマーニのお店で買物をした日本人が、
クレジットカードを返してもらっていないと大声でクレームをつけていました。
買い物客が多いと、そういうことも起こりますからね。

漢字に関心のある西洋人に、漢字は象形文字だと言うことを伝えて、
「山」とか「川」を例に挙げると「フーン」と納得してくれます。

でも、形がない漢字はどうやって作ったのだろう。
例えば「心」という字とか・・・・。

誰にもこういう質問はされたことがないので、返答に窮することはなかったけど、もし質問されたら答えられません。

ネットで調べると、漢字は4世紀頃に中国から日本に伝わった。

それ以来日本で使われ続けているわけですが、ただ単純に代々伝えてきたのではありません。
日本人の手で新しい漢字の組み合わせを作って増やし、新しい言葉を作ってきたんです。

例えば、「解体新書」は、オランダの書物「ターヘル・アナトミア」の翻訳ですが、翻訳に当たって、それまでの日本語にはなかった言葉を作ったそうです。

ターヘルア・ナトミアに限らず、外国語を翻訳するには日本語を新しく作る必要があったので、幕末から明治にかけてたくさんの言葉が作られているようです。

一方、漢字を生んだ国・中国の漢字は独自の変化をしているので、
今の中国の漢字は日本の漢字とは大分違います。

もちろん同じ漢字も使われているから、中国語をみて意味が分かる部分もある。しかし、分からない部分の方が圧倒的に多い。
文章が長くなれば、中国語は日本人にとってチンプンカンプンで分からない。
発音も文法も全然違うし、日本語と中国語は全然違うものと言って良い。

同文同種とか同文異種という言い方もあるけれど、
歴史背景も全然違うし、彼我の考え方もまるで違う。

漢字もお互いに違う文字になったし、とっくの昔に異文異種になっていると思う。


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