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知らない話題を掘り下げよう
最近は社内制度として1 on 1と呼ばれる、上司が部下と1対1で成長を支援する場として、定期的なミーティングを実施しているところも増えているようです。
コロナ禍においては、今まで以上にこのようなコミュニケーションが必要かもしれません。
部下との信頼関係を築くには?
1 on 1では、部下の成長を支援することが目的ではありますが、現在の仕事の話だけをすればいいというものではありません。
部下本人のやる気を引き出すためには、まず部下との信頼関係を深め、部下の価値観を踏まえた上で、将来の成長について語り合えることが望ましいでしょう。
信頼関係と価値観という点では、会話の質を高めるという記事で触れています。
あなたの知らない話題が出たら?
信頼関係を築くためには、プライベートな話題についての会話も必要です。
そこで上司の方から「自分の知らない話題が出ると、その後話が続かなくて困る」という相談を受けました。
例えば、週末に中部地方に出かけたというところまで話が進んで、「どこに行ったのですか? 温泉ですか?」という問いを投げかけて、「いちご狩りです」くらいの返答があれば、「おいしかったですか?」などとさらに問いで話を続けることができるでしょう。
しかし「いや、特別公開の太刀(たち)を見に神社に行ったんです」という返事だったらどうでしょう。ちょっと困惑してしまう人も出てきそうです。
困った挙句に「そうですか。私は……」と自分の話をし始めてしまったら、その後、相手の話を聴くチャンスが失われてしまいますね。
こんな時でも「なるほど、太刀は“見るもの”なんですか? そうすると、見どころって、どのあたりなんですか?」と、さらに詳しい説明を求める問いを投げかけることもできそうです。
「たち」が聞き取れなかったとしても「ちょっと、よく聞き取れなかったのですが、何を見に行ったのですか?」とそれ自体を問いにしてしまってもよいでしょう。
知らない≒怖い?
ところが多くの場合、人は“自分の知らない話題”が出たときに、それはもう本能的にと言ってよいほどその話題を避けたがります。
なぜでしょうか?
主な理由は2つあって、1つは単純に“知らない≒怖い”からです。
知らない場所は、どこにどんな危険が潜んでいるかもしれませんから怖いですね。
それと同様に、知らない話題は会話の中にどんなリスクが潜んでいるかわかりません。うっかり相手を傷つけてしまうということもあるかもしれない、そんな怖さがあるものです。
知らないことを、知られたくない?
もう1つは“自分がその話題を知らないことを、知られたくない”と無意識に思っているからです。
「聞くは一時の恥、聞かぬは一生の恥」ということわざがありますね。日本では、そもそも“聞く(問う)”ことは、たとえ一時であったとしても“恥”として教えられていて、それが刷り込まれているのです。
ちなみに、このことわざの英訳は“Nothing is lost for asking.”で、直訳すると“質問することで失われるものはない”という意味で、全く恥の概念はありません。
日本ではさらに上司・部下といった上下関係があり、上司は全てにおいて部下よりも上で、教え導かなくてはならないという信条を持っていると大変です。ますます知らないことは恥だという認識が強くなってしまうのです。
このようなリスクを感じてしまう気持ちを理解した上で、あえてリスクテイクする練習をしてみましょう。
話題に対して、それは何かを聞いてしまう問いと、詳しく情報を知ろうとする問いの2つをつくってみましょう。
反射的に「ところで、その〇〇ってなんですか?」という問いが口から出るようになったら、しめたものですね。
練習問題
次の話題が出たら、どうしますか? 何かを聞いてしまう問いと、詳しく情報を知ろうとする問いの2つをつくってみてください。
・クィディッチの練習に行く
・オニオオハシに会いに行く
・ゆらゆら帝国の復活ライブに行く
・アブラボウズをついに食べた
・オオオニバスに乗った
・SAOの聖地を巡った
・イヌカレーの個展に行った
さて、どんな問いがつくれましたか?