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パートナービジネスの仕組み化:代理店チャネルに再現性をもたらす

皆様、こんにちは。株式会社パートナープロップで営業責任者の磐崎友玖と申します。BizOpsアドベントカレンダー、10日目を担当させていただきます。

磐崎友玖(いわさきゆうく)パートナービジネス専門家。B2B SaaS スタートアップの創業参画~シリーズ B まで事業拡大を経験後、パートナープロップに営業責任者に着任。アライアンス・営業組織立ち上げ・マーケティングなどを横断的に推進。 X アカウント:@YukuIwasaki

・頑張ってインセンティブを設定したのに、成果が生まれない
・担当者が辞めた途端にパートナーとの関係が崩れてしまった
・商材の説明を何度もしたのに、代理店が提案してくれない

こんな経験、ありませんか? もしかしたら、パートナービジネスは個人の努力に頼りすぎているかもしれません。この記事が、そんな悩みを解消するための「オペレーション(=仕組み)」を考えるきっかけになりましたら幸いです。


パートナービジネスに取り組むメリット

パートナービジネスは、収益成長を目指す企業にとって多くの戦略的な利点をもたらします。その主なメリットは以下の通りです:

  1. 市場拡大と販路の多様化:パートナーとの協業により、自社単独では届きにくかった新たな市場や顧客層にアクセスできます。異なる業界や地域のパートナーと提携することで、販路を飛躍的に拡大できます。

  2. リソースと専門性の相互補完:それぞれの企業が持つ強みや専門性を組み合わせることで、より付加価値の高いソリューションを顧客に提供できます。技術、ノウハウ、顧客基盤などを効果的に活用できるのです。

  3. コスト効率の向上:新規顧客開拓や営業活動に伴う固定費を抑えられます。パートナーと協力することで、マーケティングコストや人件費などを最適化できるため、経営効率を大幅に改善できます。

  4. リスク分散 単一の市場や顧客に依存するリスクを軽減できます。複数のパートナーと多角的な関係を築くことで、経営の安定性を高めることができます。

  5. スピード:自社営業担当者の採用や育成に依存することなく、パートナーを活用して新しい市場に素早く進出できる。早期の市場シェア拡大によって、先行優位を築ける。

パートナービジネスにおける属人的営業の「限界」

パートナービジネスには多くの課題が潜んでいます。例えば、パートナーが商品の特徴や価値を十分に理解できていないと、提案活動は停滞してしまいます。インセンティブの設定や資料提供が適切でないため、パートナーが積極的に動かないケースも少なくありません。

これらの課題が生じる根本的な背景は、属人的な営業に依存しているため、個々の能力や裁量によるばらつきが大きいことです。明確な仕組みやルールがないため、担当者ごとにアプローチが異なってしまうのです。

パートナービジネスを仕組み化する重要性

パートナービジネスの仕組み化には大きなメリットがあります。誰が担当しても同じ品質でパートナーを支援できるようになり、安定的に成果を創出するパートナーの増加に貢献します。

現代のパートナービジネスに求められる3つのポイントは以下です:

  1. 可視化:情報共有や進捗管理の仕組みを構築

  2. 標準化:トレーニングやサポート体制をテンプレート化

  3. 効率化:IT ツールやデータを活用した稼働量の向上

Partner Driven Marketing(PDM)の概要

弊社パートナープロップでは、成果につながるパートナービジネスの運用方法を体系化しています。ある種、パートナービジネス版の THE MODEL である「Partner Driven Marketing (PDM)」です。

Partner Driven Marketing

PDMは、リクルート、オンボーディング、アクティベーション、リテンションの4段階でパートナーを育成・支援するモデルです。そして、各段階に適したKPIと施策がありますので、データに基づく改善アクションを回しやすくなります。

こうして、ブラックボックス化した属人的営業を解消し、パートナーごとに最適化されたアプローチをおこなえるようになります。

具体的なオペレーション改善のアプローチ

リクルート(パートナー開拓)

契約パートナー数を注力すべきKPIとし、協力体制を築くための重要な指標として活用します。特に成果が出やすいパートナーの属性を見極めて、アプローチ・契約締結することが鍵となります。

効果的なパートナー開拓のためのポイントは:

  • 自社のビジョンや価値提案を明確にすること

  • パートナーにとってのメリットを具体的に示すこと

  • 相互補完的な関係性を重視すること

参考:パートナーターゲットマップ

オンボーディング(育成と動機付け)

育成完了率に注目し、契約したパートナーが商品を提案可能な状態に到達する割合を測定します。新規商材の学習負担を軽減し、明確な研修プログラムを導入することで、パートナーの準備を整えます。

効果的なオンボーディングのためのアプローチ:

  • オンライン学習プラットフォームの活用

  • 定期的なフォローアップセッションの実施

  • 成功事例や実践的なトレーニング教材の提供

例えば HubSpot 社は、自社のパートナーに対して「パートナーオンボーディング」という仕組みを設けています。情報発信・トレーニングを通じて、自走するパートナーを増やしています。

参考:HubSpot 社 パートナーオンボーディングについて

アクティベーション(稼働促進)

アクティブ率を重視し、育成完了後に実際に活動を開始した割合を把握します。活動状況の可視化とステータス追跡、継続的なフォローアップ体制を構築することで、パートナーの活動を活性化させます。

稼働促進のための具体的な施策:

  • リアルタイムの活動状況ダッシュボード

  • 定期的な営業支援ミーティング

  • 初期成功体験を促すサポート体制

参考:パートナービジネスでリアルタイムで把握すべき KPI

上記のような数値をもとに、いつでもコミュニケーションを取れるチャネルを確立することが大切です。ただし、ツールの乱立は、対応漏れ や 情報のサイロ化を招くため注意が必要になります。

リテンション(継続支援)

一人当たり提案数受注率などを測定し、稼働中のパートナーが提案を行い、その成果が受注にどれだけつながるかを分析します。長期的なエンゲージメント施策と、成果データを活用したインセンティブの最適化が重要です。

効果的なリテンション戦略:

  • 成果に応じた柔軟なインセンティブ設計

  • コミュニケーションツールを活用した継続的なサポート

  • パートナー同士の情報交換の場の提供

参考:リテンション状況の可視化

PDM の取り組み例

弊社 CEO 井上が PIVOT に出演して、詳しいケースを動画で解説しています。ぜひご覧くださいませ。


オペレーション改善で未来を変える

属人的な営業で限界を感じている方へ。今こそ、仕組み化に取り組むべきです。パートナー支援体制の見直しに、今すぐ第一歩を踏み出してみませんか?

パートナービジネスは、単なる販売チャネルの拡大以上の可能性を秘めています。戦略的なアプローチと継続的な改善により、企業の成長を加速させる強力な手段となるでしょう。

弊社では、Partner Driven Marketing を唯一実現できる PRM ツール「PatnerProp」を提供しています。詳しい情報はウェブサイトをご覧ください。


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