一人で食べる飯はうまい
1人で食べる飯はうまい。
そう言うと大抵
みんなで食べた方が美味しい。
一緒に食べてくれる人がいないんだね。
と言われる。
確かにそうかもしれない。
教科書にだって食事をコミュニケーションの場とするような記載がある。
ご飯の誘い方とか知らないからそりゃ一緒に食べてくれる人なんていないよ。
小学生の時に弁当を1人で食べると怒られた。
先生には私が可哀想に見えたらしい。誰かと食べることを強要された。
私には母や祖母が作ってくれる好物が詰められた弁当と友人たちのキャラ弁を比べて褒め合う時間も、大好きなおかずを交換することも楽しい時間ではなかった。
中学生になり、弁当を持参しなければいけない日には自分で弁当を作った。母の甘い卵焼きも好きだが本で読んだしょっぱい卵焼き、自分の好物を入れることができるのは幸せだった。自分のために頑張ることは楽しいと思った。
高校生になり、毎日昼食は弁当になった。
寮のものなので自分では作らないが、美味しい。
どこで食べようが誰と食べようがなにも言われなくなって、私は幸せを感じている。
別に、人と食べる飯がまずいなんて思ったことはない。
人と喋ることは好きだし、人にご飯に誘ってもらえると嬉しい気持ちになる。
でも、誰を気にすることもなく
ハンバーガーを頬張り
お皿に乗った唐揚げを最後の一つまでしっかり堪能して
大好きなグラタンを一口も余すことなく食べて
美味しいなんて言葉に出さなくても
表情で表現しようとしなくても
おいしさを噛みしめて
自分のペースで
自分の好きなだけ
自分のお金で自分を楽しませる。
それができるのはひとり飯の時だけ。
そんな幸せを私に与えることができるのは私だけだから。
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