四畳半神話大系視聴ルポ、ネタバレだだ漏れ
湯浅監督のアニメは「夜明け告げるルーのうた」から入ったのですが、
最初は「話の筋はしっかりしてるけれども、田河水泡(漫画のらくろ知ってるあなたは凄い)オマージュが強い絵柄は慣れないかも…」でした。
しかし先週ほとんど予備知識無く観た「犬王」で偏見と先入観が取れ、他の作品も見よう、視聴を始めたアニメが
「四畳半神話大系」で今8話まで観終わったところ。
京都大学3回生の「私」が入るサークル間違えてせっかくの恋のチャンスを逃し、
「私の2年間は一体何だったんだぁ!?」
と嘆くところで2年前のサークル選びの時までタイムスリップし続ける今流行りのループもの。
ループものは苦手なんだけどねぇ…と思いながらも、
「私」と悪友小津のゲス根性っぷりとループを繰り返す内に脇役キャラが深掘りされていて面白くついつい8話まで観てしまいました。
1話、
自分に最も合わないテニスサークルで悪友小津にそそのかされ鴨川カップルに向けてロケット花火発砲。
(犯罪なのでやってはいけません)その後、次々とカップル成立を邪魔し続け五山の送り火の時サークルメンバーから川に落とされる。
2話、
陽キャ城ヶ崎先輩(8回生)に支配された映画サークルでマニアック映画作り続けてはブーイング喰らい、
最後に復讐心から「城ヶ崎の私生活暴露映像」公開して阿鼻叫喚の中サークルを去る。
3話、
自転車サークルに入ったもともと貧弱な「私」は他メンバーに敵うわけもなく「そうか、自転車の装備に金をかけて勝てばいい」と間違った努力をして2年間をフイにした上に京都市名物の放置自転車パトロール隊に自転車まで奪われる。
4話、
同じ下宿に棲む樋口先輩(8回生、もしかしたら賀茂社の神かもしれない)の弟子になったが実際はただのパシリで10万もする束子を買わされた上に長年続く訳の解らん代理戦争の跡を継がされる。対戦相手の後継者は悪友小津だった…。
5話、
一番好きな回。
ゆるふわソフトボールサークルの皮被ったマルチ商法サプリ会社(結構身近にいるんだよこれが)の会員にされてしまい高いサプリ買ってランクアップするためにバイト漬けで2年間を無駄にする。
サークル抜けようとして逃げる所を唯一小津に助けられる回。
この時、地獄のビリケンさんから沼色のお釈迦様へと私の中での小津のランクが上がる。
6、7、8回は
下宿に遊びに来る歯科衛生士の女性と
城ヶ崎先輩が愛でるラブドールの香織さん(彼女を勘定に入れる時点で主人公は相当こじれている)と
文通相手の誰を相手に選ぶかで結末が分岐し、やっぱり酷い結末なので時を戻される。
8話目のラストで小津の悪辣さに「やっぱり地獄のキューピットさん」に格下げ。
仮面陽キャで実は潔癖症で下宿にラブドールを飾って愛でるお変態の城ヶ崎先輩にツボっています…
追記・9話
学内の風紀を裏で支配する秘密結社、
図書館警察
(もはやサークルではないし何処かで聞いたような…)
に入った「私」は延滞図書取立てで出世しようとするも悪友小津に阻まれ、左遷先の違法駐輪自転車パトロール隊で頭角を現す。やがて隊長相島の「女性ものの下着を嗅いでは着用する」唾棄すべき変態ぶりが内部告発され相島失脚。
新隊長に就任したのは悪友小津だった…
10話〜最終話
もうどのサークルにも入らず四畳半自室から極力出ない!と決めた主人公の2年が過ぎ、ある日、ドアを開けれども開けれども四畳半が延々と続き映画CUBEを思わせながらも過去の記憶を思い出し、
「小津とつるんでた2年間はどんなヒドい過程でも楽しい日々だったんだ!」
と一番大切なものに気付き、外界への扉が開く─
ここからラストまで怒涛の展開で不覚にも感動してしまいました。
最後「私」が小津に放った一言で過ちの繰り返しは決して無駄ではなく彼を成長させていた四畳半。
ああ四畳半。
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