読書感想文「だから私はメイクする」

「だから私はメイクする」著:劇団雌猫

ある女の子にオススメされたこの本を読みました。

本の中には十人十色の女性が出てきて各々のメイクの価値観について語っています。

自分のためにメイクをする人、他人(好きなアイドルとか)のためにメイクをする人、その目的は人それぞれで。

共感する部分もあれば、わたしにはわからないなーって思う女性も出てくる。それでいいと思う。

それでも、その人たちに共通する部分はみんな他人からレッテルを貼られることから闘っているようにみえた。

突然だけど、私は誰かに「普通の人」と指差されることがとても嫌いです。

普通ってなに?
普通って一番ハードル高いの知ってる?

私はそんな、私のことをさして知りもしない人に普通って指差されるために生きていないし、そんな貴方の決めつけた偏差値50にくくらないでくれと思う。

そもそもそうやって普通って指差すくらいなら私のことを視界に入れないでほしいとも思う。

かといって、その逆だよねと言われたいわけでもない。
母校の謎のスローガンの、「普通じゃないが普通です」ってやつが私はとても嫌いだった。
色々な人を受け入れる懐の広さを表現しているのだろうが、正直その「変人」になるための努力に勤しまなきゃいけないのかとうんざりする部分があったから。
そしてそこにいて、変人に変態しようとしている人たちの圧がちょっと怖かった。

まあ、私はなんにせよ誰の視界にも入らないような無色透明でありたかったのだと思う。
女を評価して勝手に括るような身近な男子も、大人の人も、私は大嫌いでそういう括りをされるたびに衝突していた。

中学高校と肌に色を塗ることはなかった。
大学に入って初めて色を塗ることを覚えた。

この本にはそんな女性が沢山でてくる。
最初からメイクが好きなわけでもなく、とある運命のメイクやきっかけに出会って変わった人。
メイクを当てはめていくって運命の人を探すみたいだなって思う。婚活みたいな感じ?

この本の中に出てくる中で一番好きな女性は「デパートの販売員だった女」かな。
就職試験で唯一最終試験まで進めた職種が上記の職種だった。
でも最後の面接で「あなたはなんの為に化粧をしますか? 」という問いかけに私はなんにも答えられなかった。
仕事のため?生きるため?
社会のため?

なんにもわからなくて。
率直に言えば「いじめられないため」ってのが正しかったかもしれない。
目立たないように溶け込んで迫害を受けないようにって。言ってしまえばそれは普通に近づくように誰よりももがいていたってことかも。
偏差値35がせめて、偏差値55になれたらって。
そのコンプレックスがあるから私は「普通」って言葉が大嫌いなんです。

その「デパート販売員だった女性」はちゃんと答えに辿り着いているし、やっぱり私はBAさんて好きだなって思う。
大学の頃から、お金はなくてもBAさんの自信に満ち溢れた表情を見るためだけにデパートの一階に寄っていたことがある。 

踊り子になった今なら、私はメイクをする理由は言える。答えはここでは書かないけれど。

ここに出てくる女性はみんな「いまの私が一番好き」って自信をもって語っている。
その言葉はなかなか言えることじゃない。

私も早く自分のことをそう言いたい。
今は、「今までの私よりは、好き」止まりだから。

好きなお姐さんたちのポラを見て、泣きながら同じ顔になろうって頑張ってメイクの練習をしていたりもした。でも、そもそもそのお姐さんと私とじゃ顔の造りが違う。どう足掻いたって憧れの顔には近づけない。

今は「あなたにはあなたの個性がある」って教えてくれたお姐さんたちの言葉に救われて生きている。

デパコスはつけちゃいけないって自分に枷をはめていたけれど、久々にコスメカウンターに行ってみたいな。
勿論世界が元気になったらね。
大学時代に、初めて自分のお金で買った資生堂のルージュルージュとか、それをつけた瞬間に一気に武装されて無敵になれたような瞬間だとか、そういうものを忘れずに記憶していきたいな。

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