第11回「夫と宮沢賢治」
これは、とある50代のおじさんが、心の病にかかり、宮沢賢治に出会い、生きる希望を見出したお話です。我が家の今年の振り返りNo.1、それは夫でした‥
コロナ禍がもたらしたステイホーム
時は遡りコロナ禍。県外外出禁止、外出自粛、祭り中止、自粛自粛…なんでも自粛生活に様変わりした2020年。折しも県外にいる子の就職活動は難航し、県外へ行くにも許可を得て帰ってからは2週間の自宅待機、ここで変化に弱い夫は少しずつ心を蝕んでしまう。行動力があり、旅をして見聞を広めたい夫に大打撃。ある日プツリと糸が切れた。
休職。
今回ばかりは心を痛めた。殻に閉じ籠もり続けた夫。毎日お弁当を置いて仕事へゆく。帰宅し、空っぽのお弁当箱をみるとほっとする。そんな日がしばらく続いた。薬が何度かかわり、時には廃人になってしまうのではないかと心配もした。自分も、ずっと家にいて息が詰まりそうだったステイホーム。苦悩が続く。
そんなある日。
帰宅すると読書する夫の姿!宮沢賢治の本読んだら共感して、もっと読みたくなってきたらしい。いいことなんじゃないかと思い、本を揃えだした。SNSを始めて、フォロワーが一気に増えた。もともとの本が好きで調べ物がすきが根底にあり、知識をSNSに反映してゆく。だんだん生き生きしだした。
コロナ5類へ。賢治追求の旅へ。
2023年5月。
新型コロナウイルス感染症法上の位置づけが「5類」へ移行した。これにより、県外への移動が緩和され、夫の宮沢賢治追求の旅がはじまる。わずかな蓄えとわたしの給料が資金だ。これでよくなるなら、いくらでも出すつもりだった。花巻、一ノ関、盛岡。脊柱管狭窄症の手術をしたこともあり、時にはわたしの肩を貸し、イギリス海岸で北上川をいつまでもながめたこともあったなぁ。わたしも宮沢賢治の世界へ足を踏み入れ、銀河鉄道の父という映画に夢中になり、宮沢賢治没後90年という今年。さらに気分はもりあがってゆく。わたしも一緒になって楽しみだした。
宮沢賢治検定と賢治文庫、新しい出会い
復職が決まり、復職まであと一息の9月下旬。岩手県花巻市で没後90年を記念し、たった一回の「宮沢賢治検定」が開催された。問題集がなく、この1年で見聞きした知識のすべてを予想問題集としてSNSに投稿していた。試験当日は岩手の新聞社から取材をうけ、検定は見事合格。自信をつけて復職できた。
そんな中、SNSでフォロワーさんから声をかけていただく。スタンドFMでのラジオ出演である。
夫を発掘してくださった、ごましお様と陽吉様には感謝である。特性のある夫、その特性が見事に開花したように思う。いや、開花させてもらった。
人は誰しも特性があり、個性がある。それを受け入れ、認めてもっと自由に表現できる時代がようやく来たんだ、と思った。これから絶対そういう時代になる。
最後に。
宮沢賢治の情報、一つも出てこない文章😅を読んで頂きありがとうございました。
宮沢賢治に興味のある方は夫と賢治文庫さんのnoteを訪問していただけたらと思います。わたしも近々、賢治文庫さんへ訪問したいです!