第9回「秋田のセンチメンタリスト」
のんびりと池田修三
池田修三さんの版画を知ったのは何年前になるだろう。藤本智士さんが秋田県のフリー雑誌「のんびり」の編集長に就任され、池田修三さんを特集し、大々的に象潟公会堂で展覧会をしたあたり。2013年頃だろうか。のんびり、というフリー雑誌も、なかなか手に入りにくい中、県庁へ出向きもらいに行った記憶がある。とにかく、のんびりの中で池田修三を知った。冊子のなかのこどもたち、おとこのこ、おんなのこ。子供の持つ美しさ、星の輝き、雪の潔白、そうした日常の機微がみずみずしく描かれて