3都府県が緊急事態宣言へ!! これに先立つ国会で「まん延防止等重点措置」と言えない菅義偉総理の危機感欠如を立憲民主の尾辻かな子議員追及! 「医療崩壊」「緊急事態宣言を!」と訴えるも、菅総理は「私が勝手にやってる事じゃない」とまるで他人事!!
(文・IWJ編集部 文責・岩上安身)
2021年4月、新型コロナ感染再拡大が急激に進み、大阪・兵庫・東京が緊急事態宣言の発出要請に動いた。これに先立ち、特に関西圏の深刻さが増していた4月12日の国会で、立憲民主党の尾辻かな子議員が、菅義偉総理を、新型コロナ対策の不備で鋭く追及していた。
菅総理は緊急事態宣言を解除した際に「二度と感染拡大起こさない」と発言したが、実際にはその言葉とは裏腹にリバウンドが発生。しかしその責任はスルーしたままである。しかも総理は回答の中で、「まん延防止等重点措置」の名称を繰り返し間違える始末で、尾辻議員に指摘されても直さなかった。尾辻議員は、菅総理の危機感の欠如を強く批判した。
尾辻議員は「阪神間は医療崩壊」しており、「助けられる命が助けられなくなっている」と危機的状況を指摘。「すでに感染が蔓延し、ほぼステージ4の大阪に緊急事態宣言を出すべきだ」と強く訴えた。
しかし菅総理は「私が勝手にやってる事じゃない」、あくまで自治体からの要請によると、まるで他人事のように回答したのである。どこまで無責任なのだろうか。
尾辻議員は、ワクチン接種の進み具合も、経済成長率も、日本はG7で最低であり、ワクチン接種の遅れが日本経済にダメージを与えていると、反論のしようもない「事実」を指摘。そして、開始された高齢者へのワクチン接種は「いつ打ち終わるのか?」と質問したが、菅総理は結局、この質問にもまともに答えられなかった。
▲菅総理を追及する立憲民主党の尾辻かな子議員(2021年4月12日、衆議院決算行政監視委員会。衆議院インターネット審議中継より)
大阪・兵庫・東京が緊急事態宣言を要請! 深刻さ増す新型コロナ感染再拡大! 「厚労省は変異株蔓延を放置容認」「国の中枢がこれほどまでに劣化」と現場医師が批判!
2021年4月、関西圏と東京を中心に、新型コロナウイルス感染が急激に再拡大した。
4月21日、大阪府では過去最多の1242人、兵庫県でも過去最多の563人の新規感染が確認された。東京都も843人で、2回目の宣言解除後最多となった。
こうした状況から、大阪府は20日、政府に緊急事態宣言の発出を要請。21日、兵庫県も宣言の要請を正式決定し、東京都も宣言を要請すると報じられた。政府は3都府県に対し、緊急事態宣言を発令する方針で調整していることをNHK等が報じた。
こうした状況に向かう4月11日、栃木県宇都宮市のインターパーク倉持呼吸器内科院長の倉持仁医師は、次のようにツイートしていた。
「PCR検査を抑制し、変異株の検索を阻み、ワクチンが全てを解決する派と与している今の日本にはコロナに蹂躙されるだけ。英名(原文ママ、英明)なリーダーを待つしかない」
「厚労省は変異株の蔓延を放置容認する対策をとった。これが現場で一生懸命必死に感染拡大を抑えようとしている全ての医療スタッフの気持ちを裏切った。国が責任を取れるなら、もう多数の被害者が出ているので言っても詮なきことだが、国の中枢がこれほどまでに劣化してしまったのは何故だろう。ひどい」
尾辻議員の追及に、菅総理は自身の「二度と感染拡大起こさない」発言の責任をスルー! しかも「まん延防止等重点措置」の名称を最初から間違え、指摘されても改めない!
4月12日、菅義偉総理が出席して行われた衆議院決算行政監視委員会では、立憲民主党の尾辻かな子議員が、菅総理に対し、大阪の現状認識や政府のコロナ対策、ワクチンの遅れなどについて、鋭い追及を行った。
尾辻議員の追及にはIWJがこれまで指摘してきた多くの問題点が集約されていたので、ここにお伝えする。
尾辻議員「(前略)今日私、総理に大阪、兵庫にまずやっぱりこれはもう緊急事態宣言を出す時が来ていると、そのことについてお聞きをしていきたいと思います。
4月の5日からは宮城、大阪そして兵庫は、まん延防止等重点措置、これが適用されていますし、今日からですね、東京都そして京都府、沖縄県でも蔓延防止等重点措置が適用されております。
大阪、私地元ですけれども、なんと昨日日曜日で最大の760人という最多記録をずっと更新しているこの状態が続いていて、非常に危機感を持っております。
まず総理、今この状況は、総理は3月18日に緊急事態宣言を解除して、そしてその時に、『二度と感染拡大を起こさない』と言われたの覚えておられますか? にもかかわらず、今こうしてリバウンド、感染の再拡大が起こっているのではないかと私は思います。
これはですね、私厚生労働委員会で尾身先生にも聞いたら、尾身先生も『確かにリバウンドが起こっている』とおっしゃってました。まず、総理の現状の認識をおうかがいいたします」
菅総理「今大阪についてお話を頂きました。大阪についての認識ということでありますが、まず現時点においては、変異株が占める量が極めて高くなる中で、感染拡大が急速に進んでいる。そういう意味で、大阪市また大阪府ですか、あげて医療病床の確保、そうしたものに全力で取り組んでおられると。まず政府としてもそうしたことについては全力で支援をさせて頂いてると。
で、この重点、えー、ま、まん、まん延防止重点施策、こうしたことを今おこなっているわけでありますけども、こうしたことによって改善すれば、なればな、という、そういう思いを今、抱いているところです」
尾辻議員「総理、『まん延防止等重点措置』です」
▲尾辻議員に答弁する菅義偉総理大臣(2021年4月12日、衆議院決算行政監視委員会。衆議院インターネット審議中継より)
※この記事はIWJウェブサイトにも掲載しています。
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