今週の「ヤバいVR」10選【Vol.1】~'20/5/10
今週からヤバいVRを毎週10個まとめます。期間は気力次第です。
お急ぎの方は、ぜひ目次までスクロールしてご覧ください。
新型コロナウイルス(COVID-19)の世界的感染に伴って、これまでの生活環境が途端に様変わりしてしまったことは今更言うまでもありません。
未だ医療従事者やジャーナリストといったフロントラインでの対応をはじめ、未だ課題は山積していますが、 #STAYHOME の標語の下、リモートワークやオンライン授業も急速に広がりはじめています。
特にオンライン会議ツールの「Zoom」は著しく普及し、一日の会議利用者数が3億人を突破したとのアナウンスもありました。
さて、VRの果たすべき役割と期待も、ここに来て一層大きくなっています。
※ここで述べるVR(≠仮想現実)は、「みかけや形は原物そのものではないが,本質的あるいは効果としては現実であり原物であること」を意図します。すなわち、AR(Augmented Reality:拡張現実)やMR(Mixed Reality:複合現実)も含んだ包括的な技術、サービスが対象です。
(参考:日本バーチャルリアリティ学会「バーチャルリアリティとは」)
そこで備忘録を兼ねて、毎週10個のトピックを書き留めることにしました。
完全なる独断と偏見に基づいた選定です。ビジネスニュースも、新しいサービスも、単にソーシャルメディアでバズった動画も、大小問わずに取り上げます。もはや直接VRと関係ないないトピックを挙げることも、「今週」と謳いながら、過去の出来事を拾うことも往々にしてございます。
先達の皆様におかれましては、どうぞ大目に見てください。
1.Mozilla「Hubs Cloud」を公開
Firefoxで有名なMozillaから、ソーシャルVRプラットフォーム「Hubs Cloud」の早期アクセス版がリリースされました。AWS上で動作します。
日本でもclusterやVRChatなど魅力的なサービスが展開されているものの、「アカウント作成もアプリのダウンロードが不要」、「画面共有がすぐに可能」、「ワールド作成もエディターで簡単にできる」と手軽さに関してはHubs Cloudに軍配が上がります。
※このHubs Cloudのポイントは、別途noteにまとめて追記します。多分。
2.Netflixで「攻殻機動隊 SAC_2045」が配信開始
Netflixオリジナル作品として「攻殻機動隊 SAC_2045」が2020年4月23日(Thu.)より全世界に独占配信されています。
攻殻機動隊シリーズ初となるフル3DCGアニメーションを採用した本作。神山健治・荒牧伸志監督は同じくNetflixで製作された「ULTRAMAN」を担当。どちらも士郎正宗氏の作品に携わってきた重鎮です。
また、同日から「渋谷5Gエンターテイメントプロジェクト」の一環であるイベント「UNLIMITED REALITY」のオンラインコンテンツが公開。その盛り上がりはハッシュタグ「#渋谷攻殻」からチェックできます。
3.スマートコンタクトレンズ開発元が54億円超を調達
スマートコンタクトレンズ「Mojo Lens」を開発するMojo Visionが、シリーズBラウンドで5100万ドル(約54.6億円)以上の資金調達を行いました。累計調達額は1億5900万ドル(約17億円)以上です。なお、「Mojo Lens」は現在研究開発段階で、今回の調達もこれに使われる予定です。
※1ドル=107円として換算
同社は"Invisible Computing(インビジブル・コンピューティング)"をコンピューティングの未来に掲げ、欲しいとき欲しい情報にアクセスできたり、テクノロジーを感じずに、他の人と自由に交流できる世界を構想しています。まずは視覚障害者に向けた支援サービスを展開していくとのこと。
近未来SFでは頻出のスマートコンタクトレンズ。
ひょっとすると、その実現は想像以上に近いのかもしれません。
4.実物をPhotoshopにコピペする動画が話題
Google Arts&Cultureの研究プログラムにいるCyril Diagne氏が投稿したTweetが話題になっています。映像に収められているのは、現実の物体をスマホで切り取って、Macbookで開いたPhotoshopに貼り付けする様子。
単なるコンセプトムービーかと思いきや、実際に動くプロトタイプとのこと。オープンソースのため、コードや使い方はGitHubで公開され、誰でも使ったり改良を加えたりすることが可能です。
5.YouTube、オバマ前大統領らによるバーチャル卒業式を開催予定
日本でも9月入学に向けての議論が本格化していますが、その9月入学を実施しているアメリカでは、5月が卒業式シーズン。今年は多くの学校で式典の中止や延期が発表されています。
YouTubeでは太平洋時間6月6日正午(日本時間では6月7日(Thur.)午前4時)から「バーチャル卒業式」をストリーミング予定。現地時間5月5日、その来賓リストが公開されました。
そのリストに名を連ねるのはオバマ前大統領夫妻やAlphabet CEOのサンダー・ピチャイ氏、レディー・ガガやBTSなどの錚々たる顔ぶれ。
既にチャット欄には様々な言語のコメントが流れています。2020年に卒業する学生にとって忘れがたいライフイベントになるに違いありません。私自身も当事者として楽しみにしています。
6.国立科学博物館、VRコンテンツを無料公開
臨時休館中の国立科学博物館(科博)は、「地球館」と「日本館」の展示室全体をスキャニングした「かはくVR」を特設サイトで公開しています。ユーザーは3DビューやVRで化石や剥製など、科博の展示を自宅にいながら鑑賞することが可能。
撮影協力を行った一般社団法人VR革新機構では、他にも4月に開館が予定されていた兵庫県の宝塚市文化芸術センターなど、新型コロナウイルスで影響を被った観光施設に対してボランティア活動を実施しています。
7.「バーチャルマーケット4」の延べ来場者数が50万人を突破
バーチャルマーケットは仮想空間上で開催される展示即売会です。
※バーチャルマーケットに参加するにはVRChatへの登録が必要。
バーチャルマーケット3では延べ70万人が来場を記録しましたが、今回はそれ以上の動員が期待されます。開催期間は2020年4月29日(Wed.)午前11時から2020年5月10日(Sun)午後11時まで。なお、閉会式の模様はYouTubeで配信されます。
今年はコミックマーケット98も開催中止。かわりに「#エアコミケ」と称して自宅などでコスプレや設営を思い思いに行う架空のイベントが企画されました。これもある種のバーチャルな運動です。
ライブや即売会などの「場」も形を変えていきます。
その熱量を伝える方法は現在進行系で模索されている最中です。
8.Fortniteで開催されたTravis Scottのイベントショーに2700万人超が参加
残る3つはメタバースに関連するサービスです。
※メタバースについても、別途noteにまとめます。
ゲーム内のライブイベントとして、テキサス州出身のラッパー・Travis Scottをフィーチャーした「Astronomical」が開催されました。
参加者は驚異の2770万人。繰り返し参加したユーザーも多そうです。
これまでにもフォートナイトでは、シーズンを跨ぐワンタイムイベントやMarshmelloのバーチャルライブを通して世界中のユーザー、ストリーマーが体験を共有してきました。
もはやゲームの枠を超えてメタバースとして先陣を切るフォートナイト。
今後の展望にも目が離せません。
個人的にはAoki Jumpのエモートを心待ちにしています。
9.あつまれ どうぶつの森が大ヒット
「巣ごもり消費」もあいまってシリーズ最高の出足となった本作。
キャッチコピーは「何もないから、なんでもできる」。
ユーザーもそれを体現するように様々な遊び方を展開しています。
友人を島に招いてのバーチャル結婚式や卒業式。
あるいは芸能人がカブを売りにファンの島に訪れるなど。
そういえばあつ森の博物館は上で書いた「かはく」に似ているとか。
こちらのnoteを読んで訪れれば、楽しさ倍増です。
10.アバターアプリZEPETOが独立
最も普及しているARアプリのひとつがものは自撮りアプリの「Snow」です。自撮りから自分そっくりのアバターを作れるアプリ「ZEPETO」はSnow社が開発し、日本でも話題になりました。
記事によれば、「ZEPETO」はSnow社の出資元でもあるNaverの子会社・Naver Zとして独立。
主に中国で1000万人前後のMAUを保有しているとのこと。
アバターのアイテム販売による収益化は、既にフォートナイトをはじめとした多くのゲームで導入されています。
特に「ZEPETO」ではナイキなどの有名ブランドとも提携してバーチャルアイテムを展開。各所でこのような動きは加速していくものと思われます。
おわりに
語弊がある箇所も多いと思いますが、来週からはもう少し短くまとめます。
まずは興味をもっていただければ幸いです。
ぜひ気になったトピックは参照元をチェックしてみてください。
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一緒に検証していただけるパートナーや開発メンバーを随時募集中です。
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