パンチライン百科事典 p.21 -Surround Sound-
「JIDは過小評価されている」、このような発言をしている人をよく見かけます。私もその1人です。しかし、よくよく見てみると、現在彼が抱えるSpotifyの月間リスナーは約2800万人(2022年1月時点)であり、実はDreamvilleのメンバーの中で一番の数字を持っています。「果たしてこれは過小評価なのだろうか…」、そう思うかもしれません。私が思うにJIDの過小評価感とは、数字ではなく、人々のネームドロップの少なさから来ているような気がします。もちろん皆がヒップホップの話題の中で全く彼の名前を出さないというわけではないですが、同じSpotifyの月間リスナー数千万人プレイヤーと比べると圧倒的に少ない印象です。つまり、彼の活動をサポートするためには積極的に名前を出していくことが重要なのだと思います。というわけで、今回は先日リリースされた彼のシングルの中から私のお気に入りラインを紹介します。
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JID - Surround Sound 0:22〜
Putting rap on my back and I'm blackin', snatchin' crowns
ラップを背負い俺はヤるつもりだ、王冠を奪ってやる
0:22〜
このラインはJIDの「ラップで一発カマしてやろう」という気概が表れたラインです。前半の"Putting rap on my back"(ラップを背負ってる)という部分から分かる通り、彼は現ラップをシーンを一身に背負うほどの覚悟を持っており、さらに「黒人らしい振る舞いをすること」を意味する単語"Blackin'"の使用から、彼の「自分らしくあろうとする姿勢」や「自分の全てを出そうとする姿勢」が感じられます。つまりJIDは、この曲もしくは、近日リリースが期待されている次のアルバムによって、自分のラッパーとしての実力を存分に見せつけ、世間の評価を一気に覆しにいこうとしているのではないでしょうか。冒頭でも述べたように、彼はそのスキルに対して評価があまり追いついていないラッパーの1人です。本来であれば、"GOAT Conversation"と言われる、「誰が史上最高のラッパーか」という議論の常連であってもおかしくないはずです。実際にそのGOAT Conversationの常連の一人であるKendrick Lamarが、Baby Keemの楽曲『Family Ties』の中で"Smokin' on your top five"(お前のトップ5ラッパーをヤってやる)と言ったように、ここでのJIDも"snatchin' crowns"(王冠を奪ってやる)と言い切っており、威勢の良さも見せています。やる気は十分、臨戦態勢バッチリと言ったところでしょうか。彼が今、誰を王冠保持者として認識し、誰の王冠から奪い取りにいこうとしているのかは定かではないですが、この曲を含めたリードシングルの完成度やストリーミングサービスでの数字の伸びを考慮するに、次のアルバムが彼の中で大きなものになることは間違いないと思います。個人的にかなり楽しみにしています。
P.S. ずっと昔から思ってたんですが、JIDって若かりし頃のマイケルジャクソンと博多華丸・大吉の博多華丸に見える時ないですか?この2人の顔がよくチラつくんですよね〜。
written by じょん
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