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パンチライン百科事典 p.11 -Hats Off-

 2021年6月4日、近年のUSヒップホップシーンにおいて最も重要なラッパーの1人であるLil Babyが、同じく現在の注目ラッパーであるLil Durkと共に待望のコラボアルバムをリリースしました。Lil Babyは、今年だけでもDrakeDJ KhaledJ ColeDMXGucci ManeH.E.R.などの数多くの有名アーティストの楽曲に参加しており、毎週のように彼のラップを聴いているような気がします。完全に多方面から引っ張りだこのLil Babyですが、そんな彼の現状を巧みな言葉遊びで表現したラインが、同コラボアルバムの中の1曲、『Hats Off』の中にあります。今回はそれを紹介したいと思います。

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Lil Baby & Lil Durk - Hats Off 0:17〜

Change my name to the kid, that's a baby goat

名前を子供(the kid)に変える、正にヤギ(goat)の赤ちゃんだな
0:17〜

 これは冒頭でも説明したように、Lil Babyが現在の彼のラッパーとしてのステータスを「彼の名前」「有名なスラング」を用いて上手く表現したラインです。
 まず前提知識として、"Goat"は日本語で「ヤギ」という意味であり、それに対して"Kid"には「子供」という意味と「子ヤギ」という意味があります。さらに"Goat"という単語は、"Greatest of all time"(史上最高の)の頭文字を取った単語として「伝説のアーティスト」のような意味もあります。これを踏まえた上で今回のラインをみてみると、ここには2つの意味が隠されていると考えられます。

意味①:自分は子ヤギ(the kid)、つまり自分はヤギの子供である=伝説のアーティスト予備軍(baby G.O.A.T.)であるという主張。
意味②:名前をLil Babyからthe kidに変えるということは、赤ちゃん(baby)から子供(kid)になるということであり、自分は成長しているという主張。

 簡単にまとめると、Lil Babyは「自分は成長を続け、伝説のアーティストになりつつある」と言っているのでしょう。彼の書く歌詞には、彼の私生活に関する内容なども含め、リアルであるという特徴があるのですが、正にこのラインも彼のリアルな現状を表していると私は感じました。実際に、これまでのセールスや認知度等を考慮しても、これには納得せざるを得ないような活躍を彼はしていると思います。彼がGOATとして認められる日もそんなに遠くないのではないでしょうか。


P.S. Lil WayneとかLil DurkとかのLil系ラッパー、そしてDa BabyとかBaby KeemとかのBaby系ラッパーが乱立するこの世界で、Lil Babyっていう名前って両方苗字みたいで面白いですよね笑 まさかそう来るとは思いませんでした。


written by じょん

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