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パンチライン百科事典 p.18 -Tabula Rasa-

 Odd Futureの元メンバー、そしてTyler, The Creatorの盟友であるEarl Sweatshirtは個人的にラッパーとしての評価がかなり割れるアーティストの一人だなという印象です。SNS上でワーストラッパーのレッテルを貼られている瞬間を見たこともありますし、リリシストだと評価しているレビューを見たこともあります。あの特徴的な声で好き嫌いが分かれるというのは理解が出来るのですが、ラッパーとしてワーストであるとは僕は思いません笑 むしろ上手いラッパーだと思うので、今回はそんな彼の新曲から私のお気に入りラインを1つ紹介させて下さい。


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Earl Sweatshirt - Tabula Rasa 3:05〜

I let the panic pass me, featherweight my heart was straight despite baggage

俺はパニックを受け流す、どれだけの重荷があろうとも俺のハートは軽く真っ直ぐだ
3:05〜

 これはEarl Swearshirtの自分のマインドコントロールに関するラインで、「重さ」に関する表現がうまく使われています。ポイントとなるのは後半の"Featherweight my heart was straight despite baggage"(どれだけの重荷があろうとも俺のハートは軽く真っ直ぐだという部分です。まず文末の"Baggage"という単語ですが、直訳すると「荷物」という意味になります。このラインの中では、その重さを精神的な負荷に喩え、「心の悩み」を意味する単語として使われています。次に、文頭の"Featherweight"ですが、これは負荷を表わす"Baggage"とは反対に「非常に軽いこと」を意味する単語です。つまり、Earl「どれだけの困難(Baggage)が乗しかかろうとも、自分の心は常に何事もないかのように軽く(featherwight)平気であるため、パニックにはならない」というように、自分の心のタフさをシンプルな言葉遊びでラップしているのです。また、これは彼が意図しているかどうかわかりませんが、"Featherweight"という単語は格闘技でも使われている単語であるため、Earlが心の中で悩みと格闘している様子が連想でき、スムーズな言葉選びだなと思います。加えて、実は彼はこれよりも前のラインで"I Keep it simple and dynamic"(俺は常にシンプル且つダイナミックで行く)と言っており、正にシンプル且つダイナミックな今回のラインは有言実行パンチラインといったところでしょうか。痺れます。


P.S. このTabula Rasaですが、MVが物凄く渋いので是非観てほしいです。Armand Hammerの2人が格好良いのは当たり前ですが、スタジオでチルするEarl、Alchemist、Boldyの3人の絵が格別です!



written by じょん

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