オリジナリティは辺境にある
「スキルの掛け合わせで価値を高める」というのを言語化してみた。ずっと考えてたことなんだけど、最近やっと整理できた気がする。
まず、一つの専門領域で「型」を学ぶことがスタート地点。「型」は、基本やお手本を真似ること。例えば、料理ならレシピ通りに作る、ビジネスなら先輩や成功者のやり方を模倣する。こうして「型」を学び続けるうちに、自分なりの工夫や独自色が自然と出てくる。私の経験では、一つの分野で「型」を習得するのに最低でも3年はかかった。最初の1年は基礎の習得、次の1年は応用、そして3年目でようやく自分らしさを出せるようになった。
独自色は、「顧客にとっての価値」と「自分ならこうやる」という二つの要素のバランスから生まれる。ここがポイントで、ただ「自分らしさ」を出せばいいわけじゃない。ちゃんと相手が喜ぶかどうかを考える。
次のステップは、この「型を学び、独自色を出す」プロセスを別の専門領域でも繰り返す。例えば、料理で培ったスキルをデザインに応用してみる。こうやって遠い分野同士を掛け合わせることで、新しい価値が生まれる。1+1が2じゃなくて、3や4になるような感じ。
スティーブ・ジョブズは、この「掛け合わせ」の代表例だ。
彼は技術(コンピューター)とデザイン(カリグラフィー)という、一見関係のない分野を結びつけることで、美しいタイポグラフィーを持つMacintoshを生み出した。また、村上春樹は翻訳家としての経験を小説執筆に活かし、独特の文体を確立した。これらは、異なる領域のスキルを掛け合わせることで生まれた革新の好例だ。
でも、掛け合わせる領域が遠いほど、価値を伝えるのが難しくなる。「料理とデザインを掛け合わせました!」って言われても、具体的にどう喜べばいいか分からない人もいるかもしれない。それでも、そのギャップを乗り越えたときに、他にはないオリジナリティが際立つ。
そもそも、オリジナリティってなんだ?
オリジナリティとは、「型がない」ことではない。むしろ、「型と型を組み合わせるとき」に生まれる。しかも、組み合わせる「型」が遠ければ遠いほど、革新が生まれやすい。ここで言う「辺境」とは、既存の分野の境界線上にある未開拓の領域のこと。例えば、「テクノロジーと芸術」や「料理と化学」といった、従来は別々だった分野の接点に位置する領域だ。そこには誰も確立していない新しい可能性が眠っている。だから、革新は辺境から生まれる。オリジナリティを追求するなら、型を極め、自分が見知らぬ辺境へ赴く覚悟がいる。
そして、スキルとは資格や技術そのものではない。スキルとは、相手にどんな嬉しさを提供できるかに尽きる。資格や知識を持っているだけでは意味がなく、それをどうやって「喜ばせる技術」に変えるかが本質だと思う。
この考え方、腑に落ちるところがあったら嬉しい。スキルの掛け合わせとオリジナリティ、そして辺境への挑戦。シビれるね!!!