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GAFAに学ぶ「在り方」重視の事業目的

力強い成長を続けるGAFA。その強さの秘訣は、事業目的の目線を「数値」ではなく「在り方」に置いている点にある。

GAFAは、それぞれの分野で新しい枠組みを作り出した。その中で「胴元」的なポジションを確立している。競合他社は、その枠組みに対抗するのが難しく、市場はGAFAの優位が進む。

一方、多くの企業は、既存の枠組みの中で「優秀者」を目指す。しかし、それは常にレッドオーシャンでの競争を強いられ、コモディティ化の波にさらされるリスクを伴う。

「枠の中の優秀者」から脱却できるか

きめ細やかな技術力と改善力で「枠の中の優秀者」として成長できる。しかし、それは「技術」が目的化し、大きなイノベーションを起こせない原因にもなっている。真のイノベーションは、「新しい結合」や「新しい捉え方」によって新しい価値や枠組みを生み出すことである。技術はあくまで手段であり、大きな概念のもとで大きく技術が使われるときにこそ、大きなイノベーションが生まれる。

アップル vs 日本メーカー:事業目的の違いが明暗を分ける

2011年の携帯端末市場におけるアップルと日本メーカーの事例は、事業目的の違いがもたらす結果を如実に示している。

アップルは、携帯端末の「あるべき姿」を提示し、主観的な意志を宣言した。一方、日本メーカーはハード的な性能をアピールする客観的な説明に終始した。この違いは、事業目的の目線が「在り方」にあるか「技術」にあるかの差であり、その後の市場における両者の明暗を分けた。

事業の目的目線を「在り方」次元にシフトさせる

これからの企業は、事業目的の目線を「在り方」次元にシフトさせる必要がある。事業の概念を変え、新しい次元で独自の世界を創り出すことが重要だ。

「シェア獲得」から「どんな存在でありたいか」へ

企業は、利益や技術といった具体次元ではなく、概念や意味といった抽象次元に目を向けるべきである。

「多く売って稼ぐ」という事業コンセプトは、もはや時代遅れかもしれない。VUCAの時代においては、それぞれの企業が独自の最適解を創り出すことが求められる。

まとめ:DX時代を生き抜くための「在り方」重視の事業戦略

DX時代においても、事業目的の目線を「在り方」に置くことの重要性は変わらない。日本企業は、技術力に加えて概念構想力を磨き、新たな枠組みを創造することで、グローバル市場で真の競争力を発揮できるだろう。


中小企業DX事典|Iwakami Sho|note
「DXが浸透しないのは言葉の定義が曖昧だからでは?」という仮説をもとに「デジタル活用=DX」という広い定義を設定しました。具体的なデジタル活用に役立つノウハウをまとめます。スキマ時間でサクッと読める内容を目指しています。

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