文脈のチカラはすさまじい
そろそろ、文脈がすべてだと言い切りたい。
文脈のチカラはすさまじい。
最初に文脈のすさまじさを体感したのは
夏目漱石の「こころ」である。
『向上心のないものは馬鹿だ』
先生がKに対して言うセリフである。このセリフに至るまでの経緯があるからこそ、意味も重さも本当に違ってくる。
これぞ文脈である。
ちなみに「こころ」の文量のほとんどが先生から私への手紙であることも最高である。
また、こちらでも紹介したコンテクストデザインも文脈の在り方をテーマにしている。
「デザイン」への漠然とした憧れ|Iwakami Sho|note
コンテキストデザインは書き手の創作活動が読み手の主体的な関わりを促し、書き手から新しい「ものがたり」が生まれる取り組みを指している。ここでは書き手と読み手のあいだで入れ替わっていく文脈をコンテキストデザインとして定義している。
これも文脈である。
しかも、作品のなかだけで閉じていない。
そして、アート活動を行うこととそれを自分の解釈で読み解くこともまた、文脈と言える。最近読んだ「アート思考」がめちゃめちゃおもしろくて。またさらに文脈信仰が高まる。
作品を作品そのものとして掘り下げるか、
作品の背景を掘り下げるか、
捉え方で全然変わる。
ついつい眼の前の結果(成果物)に着目しがちだが、
そこに至るプロセスを堪能したらもっともっと楽しい。
文脈のチカラはすさまじい。
なにとぞ。