「吃音の9歳の壁」
こんにちは。いわたコトバのそうだん室の言語聴覚士、岩田です。
今日は「吃音の9歳の壁」についてお話ししていきます。
教育現場では「9歳の壁」「10歳の壁」「小4の壁」っていうのは耳にする機会が多いものです。
「9歳の壁」は、小学校中学年くらいの時期に学習面や友達関係でつまずきやすく、自尊心が傷ついたり、自分に自信がなくなってしまうことを言います。
この「9歳の壁」。吃音児にもあることを知っていますか?
9歳の壁について:
9歳までは自分中心で行動していて「自分中心」だったのが、自分のことを客観的に見ることができるようになります。
自分を客観的に見れるようになり、自分と周りを比較できるようになってくるんですね!
吃音の子供と9歳の壁:吃音の子供も同じで、この時期から自分の「吃音」を客観的に見ることができるようになります。それまで「なんか話しにくいな」程度の認識だったものが「あれ?自分って周りと違う?」と明確に感じてくる時期です。
その結果「うまく話せる周りの子」と「うまく話せない自分」をはっきり認識してしまうことがあります。
心の問題が大きくなっていく:こうして自分と周囲を比べることによって劣等感や自信のなさといった心の問題が大きく膨れていくことがあります。
吃音の心の問題を大きく膨らませないために吃音の理解: 子供自身が吃音についての基本的な知識を持つことで漠然とした不安は軽くなり、吃音と向き合うことができます。
吃音の伝え方を知る:
自分の吃音をある程度周囲に説明できる術を持っていることは大切だと思います。周囲の大人がサポートする
周囲の大人が子供に対して吃音を理解し、サポートすることが重要です。吃音を「笑わない」「真似しない」などの知識を周囲にうまく伝えていきましょう。
心の問題が膨れ上がらせないことの大切さ:
吃音の繰り返し(あ、あ、あ、)や引き伸ばしなど(あーりがとう)の吃音自体の症状と違い、心の問題は、際限なく膨らみ深刻な2次障害(うつ、不登校など)に繋がってしまう可能性があります。
これを予防することがその後の子供にとってとっても大切なことだと思います。
いわたコトバのそうだん室は、子供〜大人の吃音を対応させていただいておりますので悩んでいる方がいましたらお問い合わせください。