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ZINE | 映画をつくりながら映画をみる

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映画を作りながら映画をみる人から見た映画の感想。 嫉妬や羨望や興奮や感動や。 あらすじなどはスルーして超主観的な映画の話をしていきます。
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#邦画

半世界:半分になった世界を逞しく汗で埋めていく息子の姿をみて「自分で経験した世界」が入る為のスペースが誰しもいずれ必要になるかもと気づいた。

坂本順治「半世界」すばらしい。 稲垣吾郎の見るからに華奢な身体で表現する炭焼き職人の違和感は、いずれたどり着く悲しい結末で必然であることが示される。 国に仕える為に拳銃の訓練をする世界、市場経済的には閉じつつある炭焼き職人の世界、どちらも同じ世界の出来事である、とゆう身も蓋もない真実を地方の中年男性で描く誠実さに心からリスペクトする。 何が人を「殺す」のかへの答えを明確に「経済」とする監督の正しさを尊敬する。人物の魅力を存分に保ちながら、この複雑な寓意をエモーショナルに