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ZINE | 映画をつくりながら映画をみる

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映画を作りながら映画をみる人から見た映画の感想。 嫉妬や羨望や興奮や感動や。 あらすじなどはスルーして超主観的な映画の話をしていきます。
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#ハリウッド

フェイブルマンズ:つまりそれはカメラは人間を撮るだけの為にあるものではないんだよと、映画は人間関係の心理を撮るものでないんだよ、と言いたげなのである。

「フェイブルマンズ」面白かった。 この映画の文脈では地平線が真ん中にあることはアイレベル、つまり人間のまなざし、つまりは家族や友人にカメラを向ける自身のまなざし、の否定になるのではないか。 フォードの(まるで映画のような)言葉によっていかにも内的な葛藤を抱え人間に関心を持ち過ぎて近視眼的になった自身を否定=初期衝動(破壊への渇望)の肯定により人外交流エンタメ王スピルバーグの誕生をさらっと見せる、つまりそれはカメラは人間を撮るだけの為にあるものではないんだよと、映画は人間関

ザ・スーサイド・スクワッド 2:この何でもアリなアメリカ映画の最低限の良識として「子供を守る」をジェームズ・ガンがどんな意図で秩序だてているのか気づく。

「ザ・スーサイド・スクワッド 2」 唐突なタイミングで「子供を守るため」にと迫真性をまとい内なる意志を暴発させる登場人物たちをみていると、この何でもアリなアメリカ映画の最低限の良識として「子供を守る」をジェームズ・ガンがどんな意図で秩序だてているのか気づく。 序盤で溺死し終盤に脈絡なく蘇生する27人の子殺しとしての登場する醜悪にデザインされたモンスターはその扱いもデザインも経歴もジェームズ・ガンそのものだろう、そんな懺悔を軽妙に挿入しつつ、ここまで痛快かつ皮肉のきいた映画