印刷博物館・野球殿堂博物館|あかちゃんと散歩(東京編)
この日赤ちゃんと訪れたのは、印刷博物館。
TOPPAN小石川本社ビルの地下にあり、地下鉄後楽園駅からも、飯田橋駅からもそれぞれ1キロ以上の立地。ベビーカーをギコギコさせて後楽園から歩いてしまったのだけど、文京シビックセンター前からバスがでていて、目の前に止まることを知ったのは後日だった。
オフィスビルにベビーカーで突入するのは勇気がいる。恐る恐る入ってみると、1階では企画展「パッケージ大賞」をやっていた。入り口で授乳室とトイレの場所、それからエレベーターの乗り方を教えていただく。通常はエスカレーターで地下に下がるところ、ベビーカーや車椅子は裏手のエレベーターを使わせていただけるそうだ。
この日は印刷工房の見学会が行われる予定で、前日にネットで予約した。「印刷工房」とはどういうことだろう。時間まで1時間ほどあるので、博物館の中を先に見学することにした。
入り口では、印刷技術の歴史を紐解くレプリカが出迎えてくれる。展示室に入ると、実物と映像を交えたテンポのよい展示。博物館というとだいたい本を読んでる感じがするけれど、印刷博物館は映画を見ている感覚がする。
印刷の歴史は、イノベーションの歴史だ。文字の発見、宗教革命、日本の大正デモクラシー、社会に革新をもたらしたさまざまな歴史は印刷技術の発展とともにあったのだ。
展示を見るのが楽しくて、1時間はすぐに経過した。印刷工房は、展示室の最後にある。貴重な活版の機材がそろっており、ノートの表紙やカードにオリジナルの活版印刷ができるワークショップが開かれる日もあるそうだ。活版好きの方は要チェック。その日、赤ちゃん連れはわたしたちだっけど、スタッフの方々がみんな親切にしてくれた。ワークショップに参加するなら、抱っこ紐は作業しづらいから、大人が2人以上いた方がいいだろうけど。
一文字ずつ組み合わせる作業は職人技。活版は鉛でできていて、印刷部数が1,000部以上の場合、凸が潰れてしまうので、使い捨てになるらしい。使い捨て、と言っても溶かして再利用。新聞や本が出版されるまでに、さまざまな仕事と職人が関わっていた様子が分かる。
あまり意識してこなかったことだけれど、印刷物に囲まれて生きている。新聞、本、雑誌、広告物、パッケージ…。印刷を通して、人がつくった社会を回顧し、現在と未来について考える。そんな体験ができた。
満腹の気持ちでTOPPAN小石川本社ビルを後にした。時計をみると、少し時間がある。次に訪れたのは、野球殿堂博物館。場所は、東京ドームだ。実は、別日に小石川後楽園を訪れた後、寄ったのだが、定休日だった。美術館・博物館は月曜定休が多いから、要注意。
野球殿堂博物館では、2023年WBCの優勝カップほか、特別展を実施中。ぜひ、みておきたい。入場はすんなり。受付を済ませると、すぐにエレベーター(または階段)で下の展示室の下がる仕組みになっている。入ってすぐは、プロ野球。それから、大リーグ、アマチュア、殿堂といった常設展が続く。
その先に、カップが展示されていた。さすが平日。行列は無く、こころゆくまで観察できる。
ほかにも、東京オリンピックで使用されたネクストバッターズサークルや、過去のWBCの優勝カップなどが展示されていた。
あれもこれもモリモリな展示。野球の夢が詰まった宝箱の中を探検した気持ちになった。
赤ちゃんはというと、時々起きて照明でキラキラしている展示に興奮したかと思えば、知らない間に寝ていたり、マイペースな様子。念のため、博物館を巡る際には抱っこ紐を常備した方が良さそうだ。
散歩を終えて、帰宅。夕方の授乳をしながら、その日開拓した新しいワクワクを思い出す。明日はどこを散歩しようかな。