「内外海本づくりへしこ」プロジェクト
福井県小浜市で「へしこ」と「へしこのなれずし」の魅力を伝えるお手伝いをしています。
【本物を守る奇跡の集落】
若狭の伝統的発酵食品「へしこ」。本物は鯖と塩と米ぬかしか使いません。桶に漬け込んで一年、素晴らしい味の「へしこ」ができあがります。
でも残念ながら、本物の「へしこ」は若狭でもごくわずか。内外海と呼ばれる小浜市のごく一部の地域で、昔ながらの伝承の味を守っています。
私の役目は、この伝承の味を地域で守る仕組みを作ること。簡単に言えば「ブランド化」なのですが、ネーミングしてパッケージデザインして、ではなく、この伝承の味を若い人たちが引き継いでいける仕組みを作ることに注力しています。
昨日、今日はその2回目のミーティング。今までもこの地域は「本物」だけを作り続けてきた奇跡の集落なのですが、さらに磨きをかけるために細かな部分まで見直して、改めて地域産品としてのレギュレーションを生産者の皆さんと決めました。
それが下記。
・鯖と塩と米ぬかだけで仕込むこと。
・1年以上、発酵、熟成させること。
・ノルウェー産は使わず、国産の鯖を使うこと。
2つの集落だけとはいえ、正直、地域で統一するレギュレーションとしてはかなりハイレベル。最近では化学調味料の入った調味液に漬けて、数ヶ月で出荷するへしこが多いなか、さらに本物を目指すという生産者の総意です。
へしこだけでなく、へしこから作る「なれずし」のレギュレーションも調整中。本物のなれずしはこれまた美味しくてビックリなのですが(いわゆるなれずし的な臭みは一切ありません)、それも本物をさらに磨きあげる内容に向けて検討中。今までなかった集落を越えての生産者同士の情報交換も起きています。
とはいえ、「本当は値上げしないとやっていけないのだけど、他のへしこと外見も同じだし、表記からは本物と一般品の違いがわかりにくいので、お客様はわかってくれるだろうか」という心配の声も。
私としては「食べてもらったら必ず伝わります」としか言えないのですが、この地域のへしこは本当に美味しいのです。ぜひ皆さんの応援を頂ければ幸いです。
2018年10月26日
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