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アスリートへのインタビュー 1
「個人競技」から「集団競技」へ
陸上や水泳、自転車など、個人がエントリーしてレースを行う競技がある。
それらは、「個人競技」と呼ばれアスリートが個々に戦う競技といったイメージが有る。
しかしこのインタビューで垣間見えたのは、レースに参加するアスリートたちが共同でレースを形作る様子だ。
会話や表現物、人と道具の空間配置などが盛んに利用しながら、レースの文脈を共同で編み出しながら、その境目を利用して新たな文脈をクリエイトしていくダイナミックな共同作業を見ることができた。
このインタビュー以来、私はこれまで「個人競技」として見て来た活動を「集団競技」として見るようになった。
また、境目で新しい文脈のクリエイトをリードする者がレースを制することができる。
その時彼らは「クリエイティブな試合をすることができた」と言うのではないか。
概要
日時:2019年11月14日(木)17;00-18;00
概要:Nさんが参加したレース当日撮影したビデオを上映してもらいながら、当時の状況を振り返ったり、解説してもらった。
振り返りのポイントを模造紙に描きながら進行した。
レース
BikeNavi Grand Prix 2019
第25回 ツールドひたちなか エンデューロ
開催日時 2019年11月10日(日)
開催場所 茨城県 ひたちなか市 安全運転中央研修所
主催 バイクナビ・グランプリ実行委員会
競技内容 エンデューロ(1時間、2時間、3時間、5時間、キングオブエンデューロの5種目)
趣旨
L社が支援する「アスリートの活動」とはどのようなものか調査して、結果をデザインに反映させたい。
初期段階では競技やレースを人間の活動として広く捉えて、基本的な事から始める。
方法
模造紙に描かれた振り返りのエピソードを、分類・グループ化して出来事とその背景を考察した。
エピソードの分類は、社会調査の方法に従い(上野直樹1999)以下3種類とした。
・会話
・表現
・人と道具の空間配置
上野は人の活動を、上3種類の「リソース」を共同で組織化して「コンテキスト」を編む事、とした。
模造紙1
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模造紙2
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-------------------------- 詳細を省略 --------------------------
インタビューに見られたエピソードのグループ
会話
・言葉によるもの
・言葉によらないもの がある
表現
・ポイントや集団の変化をコントロールする
・無駄や不足があると勝てない
・振り返りを共有する
・参加者でレースを作る楽しさ
人と道具の配置
・集団を作り、維持する
・集団の形や人数を変えようとする
・食事は大事なリソース
・コース攻略
・お互いをサポートする
まとめ
ひたちなかエンデューロは個人参加の自転車競技だが、
レースは、上位ライダーたちのコントロールによって、レース参加者がコミュニケーションを繰り返し、レースの状況を共に創るものだった。
レースをドライブするのは、個人の成績を伸ばす他に、参加者同士でレースを創る楽しさ。
上位がつくるレース状況に対して、無駄や不足があると順位が落ちていく。
レースに勝つためには
レースをコントロールする。
無駄や不足を減らす。
変化に気づき、意味や意図を読みとり、素早く対応する。
UXデザインの可能性
レースをコントロールする
同じレースのデータを蓄積することで、変化の境目の効果的な作り方を支援する。
無駄や不足を減らす
データの記録と、適切なデザインによる可視化によって、無駄な動きを可視化する。
不足を減らすためのトレーニング方法をアドバイスする。
変化に気づき、意味や意図を読みとり、素早く対応する
レースのデータを蓄積することで、変化の境目を予想する。
変化の境目の目的や背景を分析する。
レースの状況を共に創る楽しさを展開する
参加者同士のコミュニケーションを支援する。
アスリートの日常を支援する。