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父が倒れて障がい者になった話②

私の家族は5人家族で、父母と兄姉私。

父が倒れるほんの数日前、私と姉は実家に帰省していた。ちょくちょく帰るので珍しいことではなかったのだけれど、今もその時の写真を見返しては「この数日後にまさか倒れるなんて。あの時何か気づけていればな…」と思わざるを得ない。

倒れる前の父は、頭が痛いと言って風邪薬を飲んでいた。熱は無いらしく、仕事はいつも通りに出勤していたのに、普段は私の息子が寄っていけばあやしてくれる父が、息子を避けるようにしているのを見て「結構しんどいんだな」と感じていた。

…あの時に病院にいくように強く言っていれば?

さらに倒れる数ヶ月前、父は仕事中に階段を踏み外し足首を骨折して1ヶ月ほど入院していた。普段は絶対に病院なんか行かない父だが、この時ばかりは手術も必要で入院せざるを得なかったのだ。

…この時に入院ついでに高血圧の治療がされていれば?

父は倒れる前からずいぶんと200を超える高血圧を放っていた。家族も父に耳にタコができるほど口酸っぱく治療するように伝えたが、その全てを父は右から左に聞き流してきた。

少し面白い記憶としては、私が妊婦の時、父に「出産怖い。でも死ぬ気で頑張るから、私が頑張ったらお父さんも健康診断でもいいから、病院に行って検査を受けてくれ」とメールした。冗談半分だったのだけど、私の一世一代の努力を天秤にかければ聞いてくれるかも?と言う淡い期待で言ってみた。が、それももちろん左へ流された。

骨折で入院したことで少し意識改革がされたのか、タバコをやめ、少しダイエットもした(退院後結局リバンドしてたけど)。だけど結局その後病院で検査や治療を受けることなく父は倒れたのだった。

誰が聞いても「自業自得」と言うだろう。

入院して数日、後遺症が残ることが分かり、やっと知らされた兄や姉も「自業自得や」と言っていたし、私もそう思う。

でもやはり、口からポロポロと出てくる言葉は「あの時に何か出来ていれば…」と言う言葉。

父は「実際に病気になる人はハズレくじを引くようなもので、自分は引かないだろう」と謎の根拠の無い自信があったのだろう。

人間所詮はハズレくじを引かないと学べない生き物。

世の中には想像力を働かせば見えてくるベールの中に、とてつもなく膨大な事実があって、それを想像するかしないかで人生変わるんじゃ無いかレベルまで壮大なことを考える。

(※脳出血やその他の病気に倒れられた方が全て「ハズレくじを引いた」と言う話ではありません。もちろん日々健康に気をつけていても、理不尽な事故に遭うかのように病気になられる方も沢山いらっしゃります。ここでは私の父のような、病院嫌い、謎の自信に満ち溢れるような方における話ですので、ご了承いただければと思います。)



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