実はフジテレビで恋愛リアリティーショーの企画が通っていた話
タイトルの通りです。
今年の2月頃、フジテレビで恋愛リアリティーショーの企画書が通った。
若手放送作家としては、企画書が通るのは喜ばしい出来事でした。
それから、会議を数回重ねた時、テラスハウスメンバーの訃報をニュースで知りました。
もちろん、この一件があり、企画した番組が放送される予定は白紙に。
残念ではありましたが、仕方がないことだし、当たり前の判断だと思う。
そして、この事件をきっかけに、”リアリティショーの魔力”について考えるようになりました。
これは事件が起きる前、自身が通した恋リア企画について、お世話になっているプロデューサーさんと会議した時のこと・・・
自分(若者)は「恋愛リアリティショー」と「恋愛バラエティー」は別のものとして捉えているという話をしました。
これは、番組を制作するにあたり、大量の恋愛番組を見て感じたことです。
あくまで、イチ若手作家の主観ですが
▼恋愛リアリティショー
→出演者が自由に恋愛をしている様子を覗き見している感覚になる番組
例:テラスハウス・オオカミちゃんには騙されない など
▼恋愛バラエティー
→カメラが近くにあるという共通認識のもと、スタッフor番組MC主導で恋愛させられる番組
例:ねるとん・プロポーズ大作戦 など
僕は、20代前半のゴリゴリのテラスハウス世代です。
だから、恋愛リアリティショーの方に馴染みがあります。
恋愛バラエティーもいくつか見ました。
面白かったけど、今の時代の若者は受け入れないだろうなと率直に思った。
テレビの演出や制作側の意図が露骨に見える番組が嫌われるからだ。
だから多分、今後もリアリティショーっぽい演出はなくならない気がする。
でも、リアリティーショーは、小さな火種を山火事のように大きく見せてしまう怖さもある装置。
だからこそ、似たような過ちを繰り返さないように、世間をミスリードする演出にならないように制作側は、細心の注意を払わなくてはいけない。
そして、出演者・視聴者・制作側の3つの視点から、物事をバランスよく見れる力が必要なんだと強く感じました。
だれか1人だけが損をしないように・・・。
今まで、テレビは視聴者と向き合ってきたのかなと思います。
視聴者にむけての笑いや感動を届けるため、出演者の方に自己犠牲を求めるところが少しあった気がします。(それでも全然OKの時代だった)
ただ、その影響もあってか、自分の周りのタレントさんは(20代以下)は、「自分が損する立ち回りなら番組には出ない!」と言われることが増えました。(芸人さん・アイドル・YouTuberなど)
これは、テレビ制作者としては悲しい・・・涙
ひと昔前の”正解”は、今の”不正解”かもしれない。
”時代に合わせて考えをアップデート”することの重要性を痛感しました。